明星ロマン-14
夢が見たいだけなんだ──室井は久野志織の体に思いを馳せた。
そして彼女を抱き起こし、仰向けに寝かせると、おとぎ話に出てくるようなその姿態にあらたまった。
薄目を開けてよだれをすする表情、乳房の輪郭と乳首の色、ぐったりと折り重なる手足、そこにきて神秘的な局部が室井の目を奪う。
しぜんと下半身が疼いてくるのである。
室井は無我夢中で彼女に抱きついた。陰茎をあてがうと、すぐに馴染んで膣に吸い寄せられた。
どんどん引きずり込まれていく。
絶頂して間もない彼女の性感帯は、より敏感にできあがっていた。またイク、と言うのだ。
女遊びに免疫のない室井には信じられない台詞だった。
そして久野志織はあっという間に二度目の絶頂を迎えた。
はっ、はっ、はっ、と空気を削るような呼吸をしている。それに唇の色が異様に赤い。
「水でも飲むかい?」
室井が訊くと、彼女はかるくうなずいた。
ミネラルウォーターがあったはずだ──室井はベッドを離れ、部屋中をうろついた。もちろん全裸のままである。
自宅でこんな格好をしていたら、それこそ夫婦喧嘩になりかねない。
けれどもそんなことはどうでもよかった。
室井がベッドに戻った時、久野志織は自分の肌を繕っていた。髪も体もべとべとなのだと言う。
「お水は?」
と彼女が手を差し出す。
ここで室井はペットボトルを渡すつもりだった。だが彼はためらった。
「どうかしたの?」
きょとんとする彼女の目の前に、今度は室井が手を差し出した。
そして皿に見立てた手のひらに、少量の水が注がれる。
「どうぞ召し上がれ」
自分なりの演出ができたことに室井は満足し、微笑んだ。
おなじく彼女も笑みを浮かべている。
小さな水たまりを挟んだ二人の目と目が通じ合い、やがて久野志織の舌先がオアシスに届くと、ちろちろと舐めはじめた。
その姿はまるでペットである。
「もっと飲みたい」
彼女が顔をのぞき込んでくるので、室井は水を口に含み、口移しで飲ませてやった。
彼女の喉が、こくんこくんと音をたてる。
きっかけをつくり、ディープキスからふたたびセックスに持ち込む。
「入れて」
と自慰の格好で哀願する彼女のことを、室井の腰が迎えに行く。
そのまま柔肌を受け止めて、挿入と同時に乳首をしゃぶった。
めくるめく味わい、匂い、肌触りまで、すべての感覚が久野志織と繋がっているのだ。
室井の竿が彼女の子宮を押し上げるたびに、白濁した分泌液が膣から溢れ出す。
ペニスは陰唇でしごかれ、膣でしごかれ、ぐんぐん強くなる。
「んはあ、はうん、ん、ん、ん……」
身悶える彼女の可愛らしい顔が少しずつ歪んでいく。
つられて室井も眉をひそめ、ぎりぎりの顔でヴァギナを掻き回す。
浅く、深く、飴と、鞭と、あらゆる角度から久野志織を責めた。