明星ロマン-10
閉じられた口に隙間ができると、そこへ舌を送り込み、くちゅくちゅと絡めた。
前のめりに彼女を押し倒し、はだけたバスローブを取り除いていく。
すると、雪を盛ったような乳房が露わになる。
てへ、と彼女は笑った。
「恥ずかしい」
「きれいだよ」
「そうですか?」
「ここもピンク色のままだ」
と彼が手を伸ばした先に、久野志織の乳首がある。
かるく触れると指を押し返してきた。
ぎゅっと目をつむる彼女。とても感じやすいのがわかる。
「気持ちいい?」
興奮気味にささやきながら室井が愛撫すると、彼女の口から吐息が漏れた。
聞き慣れたポルノ女優の声とは違うので、室井は味をおぼえ、執拗に乳首ばかりをいじくりまわす。
その指先に汗が滲んでくると、彼女の肌にもだんだん汗が浮いてくる。
んもう、と彼女は呆れたような声を出すが、室井はやめなかった。
乳房に指をうずめて、わしわしと揉んだ。水風船のような重みがなんとも心地よい。
それに比べて自分の手はこんなに毛深くて、節くれだっている──久野志織との年齢の差を思い知る室井。
そうして視線をさまよわせていると、いきなり股間に温もりを感じた。
「室井さんの、かちかちになってる」
バスローブ越しに陰茎をさする彼女。
「見てみるかい?」
「ちょっとだけ」
彼女は控え目に言い、下に視線を注いだ。
室井はバスローブの腰紐をほどき、どうだと言わんばかりに男性自身を披露した。途端に久野志織の目の色が変わる。
「これって、あたしのせいでこうなったの?」
「そうみたいだね」
室井は勃起していた。お互いに情が芽生えたのか、敬語も少しずつ減ってきている。
「もっと大きくなる?」
「それは、志織ちゃんしだいだよ」
「あたしのこと、そう呼んでくれるんだ」
「志織さん、よりはいいだろう?」
「いいかも」
やり取りの最中、久野志織は彼のことをしごいていた。
丁寧に、両手でもって根元から突端までを撫で上げ、つづけて逆さに指を下ろしていく。
習い事でも覚えるように、その手つきに熱がこもる。
室井のほうもかなり溜まっていたので、思わず女々しい声を発しそうになったが、奥歯を噛んで凌いだ。
「我慢しなくてもいいのに」
と射精を促す彼女。
いつの間にかペニスに頬ずりまでしてくれている。
「とっておきの魔法、かけてあげる」
そう言って彼女は室井の毛深い股間に顔をうずめた。
亀頭に息を吹きかけ、浅黒いそれを舌で包み込むと、ぱくんと頬張った。
下りてくる髪を手で払い、
「おいしい」
と言葉を添え、フェラチオのつづきをやる。
褐色に染めた髪がまた上下に揺れはじめ、口淫はいよいよ汁気にまみれてはげしくなる。