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好き…だぁーい好きなんだからっ!
【幼馴染 恋愛小説】

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杏を頼む-1

ちりめんの布団を敷いたように、銀杏の葉が道に散らばり、その上を当然の如く踏み、学校を後にする、つい最近まで自分も同じ制服を身に纏っていた服を着たクラスメート達。

慣れない灰色に染まったジャケット姿で、片手には全員用のペットボトル一本分の重さがあるケースを手に持ち。

札幌から小樽の病院へ転院し、医師からもう二度とクラスメートに会えないと告げられ、
埃被った肌に慣れた画材道具を連れに、再び色々なエピソードが濃縮された母校へと舞い戻り。

放課後の予定や先生への愚痴などの他愛もない会話を口にし、制服未着用の僕を不審な目で見つめる事無く通りすがり。

校内へ足を踏み入れ、野球を打つ音、自身の学び舎への忠誠心を合唱する女子の声が耳に入る。

目の前に大きく聳え立つ見慣れた学校。

不意に嬉しさと悲しさが混ざり合ったものが胸に突き上げてくる。

愛おしい太陽のように明るい笑顔が素敵な少女が頭に浮かぶ。

「杏……。」



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