僕をソノ気にさせる-48
「……ね？」
「ううっ……」
呻いた優也は膝をついたまま、上体を杏奈に覆い被せてきた。髪を鼻で掻き分けて杏奈の耳に唇を沿わせ、「したい……」
「ちゃんと言って？」
「先生と……、……」
杏奈が下着の上から形を確認できるほど張り詰めた先端を握ると、「んぐっ……!! 先生と、セックス……」
「肉体に悪魔いない？」
「……いないよっ。……アレは違う。僕とは違うっ……」
「どうしてそんなこと言えるの？」
馬乗りになった優也に抱きつかれた体勢のまま、握った指を動かす。喘ぎ声を上げた優也の先端から、また熱い粘液が染み出したのが分かった。
「先生が好きだから。……すごく、したい……」
杏奈は苦しげに絞り出した優也の方へ顔を向け、目前にあった唇に舌を絡めて吸った。どうしても言って欲しかった言葉を聞いて、杏奈の全身を身震いするほどの悦楽が包んでいた。
「うん……、私もしたい」
唇を離した杏奈は片手を優也の頭へ回し、自分の方へ引き寄せて額を合わせた。もう一方の手はブリーフの中に入り、優也の先端を握ってほぐしている。
「優くん、こっち見て？」
優也は閉じていた瞼を薄っすら開けるが、杏奈の指からもたらされる快感に、再び閉じそうになるのを必死に耐えていた。
「もう一回、言って？」
「好きだ……。あうっ……」
杏奈の指が勃起を外に引き出そうとする。
「そっちだけじゃなかったよ、さっき言ってくれたの」
「大好きだよ、先生としたい……、うあっ！」
指の感触に耐え切れず、腰ゴムからはみ出した先端から透明と白濁を分離させて、跨いでいる杏奈に向かって勢いよく発射してきた。カットソーに飛び散り染み込んでくる場所から、疼いていた肌が一気に癒やされていく。杏奈は優也に手を添えて身を起こし、ベッドの上に向い合って座ると、彼の目の前でカットソーを脱ぎ捨て、下着を外した。煌々と点いているルームライトの中で杏奈は背筋を伸ばして肌身を晒す。
吸い寄せられるように優也が杏奈の腰に手を回し、得難かった肌の感触を確かめるように項から肩、脇腹を撫で上げてくると、指が通った軌跡が小刻みに震えた。首を伸ばし、差し出しあった舌を絡め合うと、杏奈は優也の脱げかけていた下着をジーンズごと脚から抜き取っていく。優也はお尻を浮かせて脱がされるのに応じながらも、その間じゅう、ずっと杏奈に触れ続けていた。Ｔシャツの裾の下から、未熟ながら完全に張り詰めた幹が、放出してもなお屹立して脈打っていた。
杏奈は優也の隣に寄り添って横座りになると、まだ襞が寄り切っていない、少年の肌をした袋のほうから指先で撫で上げてから、幹を握りしめる。優也がもどかしげに伸ばした両脚をベッドの上でピクピクと震わせるのが愛しく、先端を掌で包んで親指で優しく慈しみ、ゆっくりと手首を上下させていった。優也の手も、腰を降りて膝丈のスカートの中に入ってきて、滑らかな太ももを撫で上げ、杏奈の体の中心を目指して這い登ってくる。ショーツの柔らかな中心に指を立てて一度弾かれただけで、杏奈は髪が揺れるほど跳ね、そしてその悦びを握っている優也の幹に伝え返した。
「すごい、濡れてる……」
「……だから。んっ……、それ、いちいち言っちゃダメだって、言ってるのに」
困ったような眉根で睨み、しかし口元に笑みを湛えて優也を見ると、催促するように舌を伸ばした。優也が唇ではみ、中で舌先を絡めてくると、ショーツに感じる指の愉楽が一層増した。優也が触りやすいように脚を緩めていき、やがて片足を曲げて膝を立てて、羞恥の染みを広げている中心へと優也の指を招き入れる。
「優くんっ……、中……」
ショーツの両側から溢れて外にまで垂れてきている。この愛おしい指を一刻も早く体の中に入れたかった。だから優也が杏奈の腰に手を回して探し始めると、その手首を掴んでスカートのバックジッパーの場所を教えてやった。緩んだスカートを脚から引き下ろされていく。そして優也が自分のＴシャツも脱ぎ捨てようすると、杏奈はその手を止めさせて、裾を引き上げて優也の首から脱がせてやった。
最後に杏奈の下腹部に残っていたショーツの両サイドに優也が手をかけた。杏奈は微笑んで後ろ手をつくと、僅かに腰を浮かせた。
「先生、凄くキレイ……」
明るい中に全ての肌を晒されて、両手で少し隠すように自分を抱きしめている杏奈の裸身に優也は息を呑んだ。
「優くんもね」
何度でもキスしたいし、ずっと優也の唇で口を塞いで欲しいくらいだったので、杏奈は身を隠していた腕を解いて優也に絡みついて舌を差し出して催促した。もちろん優也は応えてくれる。
また舌を音を立てて絡め合いながら、お互い裸身で抱きあうと、肌の擦り合う感覚に溜息が出た。たまらず優也は杏奈の身体を再びベッドに押し倒していった。杏奈は自ら脚を開いて、その間に優也の体を招き入れる。