再会-1
1.
南田秀雄は、20年ぶりに再会した高校時代のガールフレンド和子を、胸に抱いている。
秀雄は唇を舌先で一寸湿らせた。顔が近づくと、和子は目を閉じた。鼻先が触れて、ポッテリとした生ぬるい和子のぬめりを唇に含むと、再び亀頭に疼きが走る。
舌を差し込む。おずおずと柔らかな舌が絡んで来る。
秀雄は右手で和子の腰を抱えると、左手を喪服の上から乳房に被せた。
和子は、一瞬体をぴくっと震わせたが、じっと動かない。指先に、喪服の下の膨らみから、体温が伝わってくる。
秀雄は舌を抜くと、和子の上唇を、上の歯と下唇に挟んで、そっと噛んだ。和子は、答えるように、秀雄の下唇を吸った。
秀雄は、はだけた胸元に、指先を滑り込ませる。ブラジャーのない、しっとりと吸い付く様な肌・・、秀雄の指は興奮に震える。
手繰る様に指先を這わせると、むちむちとした柔肌の奥の乳首に指先が触れた。
「ふううぅっぅむ」
頂上の豆粒を、先に届いた中指の腹が優しく撫でる。和子は唇の脇から息を漏らした。
秀雄は、疼く亀頭に堪り兼ねて、股間を和子の腿に押し付けた。
「和子さん、君が欲しい」
和子の頭が幽かに、コクリとうなずいた。
2.
和子は、秀雄の高校の時の同級生だった。
2年生の夏休みに入るのを見越して、募る和子への想いを連ねたラブレターを書いた。面と向かって告白するのは、とても無理だった。駄目でも、休みが終わるまでには、ほとぼりが冷めるだろう。
返事はOKだった。
散歩をしたり、映画に行ったりのお付き合いが始まった。初心な秀雄には、映画館で隣に座っても手を握る勇気もなかった。秀雄にとって、和子は手を触れてはならない神様のような存在だった。
秀雄は、このまま大人になったら、和子と結婚をしたいと思っていた。
秀雄は理科系の大学に進み、和子は勤めに出た。
勉強に追われてデートの時間が取れないまま、時が過ぎた。
久しぶりに和子を映画に誘い、銀座に出た。
ショートカットにパーマをかけ、ベージュのスーツを着こなしてハイヒールで闊歩する和子に、学生姿の秀雄は圧倒された。その後も何度かデートに誘おうと思ったが、気後れがして、和子を想う心ばかりが蓄積されて、やがて疎遠になった。
大学の最終年、卒業設計に寝る間も惜しんで図面に取り組んでいたとき、近所に住む高校の同級生友子から、和子が結婚をしたと聞かされた。