愛しいお姫様-2
「ごめんなさい」
いつまでも子供扱いなのが悔しくて、ちゃんと女性として見て欲しくてやった事だったが、デレクシスには不評だったようだ。
「ジェノビアは今まで通りで良いと思うよ?」
デレクシスは手を伸ばしてジェノビアの頭を撫でてやる。
「でも……それじゃおじ様は私を見てくれないもの」
デレクシスの手を避ける様に頭を動かしたジェノビアは、拗ねた目でデレクシスを睨んだ。
「?」
「わ、私はっおじ様が大好きなんです」
ジェノビアが真っ赤になって決死の告白をしているのに、デレクシスは爽やかにニコニコして答える。
「私もジェノビアが大好きだよ?」
「そうじゃなくてぇ〜っ!」
ジェノビアは足をばたつかせて首を左右にぶんぶん振った。
そんなジェノビアにデレクシスは苦笑して手を移動させる。
デレクシスの手はジェノビアの手を取り、握りしめているサンドイッチを離させた。
「そうじゃなくないと思うけど?」
潰れたサンドイッチを皿に戻したデレクシスは、ニコッと笑って汚れたジェノビアの手をペロリと舐める。
「おじ様?!」
「勿体無いじゃないか、ジッとして?」
デレクシスはジェノビアと視線を合わせたまま彼女の手の平を舐め上げた。
「っ」
その艶かしい仕草と感触にジェノビアの首筋に鳥肌が立つ。
手の平を綺麗に舐めたデレクシスは、舌を指に移して1本1本丁寧に舐めていった。
「〜〜〜〜ッ」
ジェノビアの蒼い目にじわじわと涙が溜まってくる。
細い眉はハの字になって薄い唇がわなわな震えていた。
(かっわいぃなぁ♪)
初々しい反応にデレクシスの行為がエスカレートする。
舐めていた指を口に含み、舌を使って丁寧にねぶっていった。
「ッ〜〜〜〜」
ちゅぷ
わざと音を立てて指を口から出したデレクシスは、最後にもうひと舐めしてからジェノビアの手を解放する。
「はい。綺麗になったよ?」
ジェノビアは慌てて手を引いてテーブルの下へ引っ込めた。
(なっなっなっナニコレなにこれ何これぇ〜〜〜〜っ)
今までだって頬に着いた食べ残しを舐められたりした事はあった。
だけど今のコレは明らかに違う。
明らかに、ジェノビアにデレクシスを意識させようとして行った行為だ。