想いを言葉にかえられなくても《アラベクス》-11
そのまま俺は濡れた身体を抱き寄せる。唇から舌を割り込ませて粘膜を感じた。苺を包み込む様に抱き締めると、苺の身体を包んでいたバスタオルが滑り落ちる。
「っふぅん…っあ…」
気持ち良さそうな苺の顔…。つい意地悪したくなってしまう。唇を離し、床に丸まったバスタオルを渡す。
「せ…聖…?」
「俺も風呂はいろっと。」
口元から笑みがこぼれる。明らかに不満そうな表情が可愛い。
「聖…!!もぅ、知らないっ」
顔を真っ赤にして怒っている。続くとばかり思っていた行為が中断されて、身体が疼いているのだろう。もじもじと太股を擦りつけている様子で分かる。
そっぽを向いてバスタオルを身体に巻き付け、出て行こうとする。
「苺。」
真面目な声で呼ぶと渋々ながら振り向いた。
「すぐに行くから待ってろな。」
仕方ないなぁって笑う苺。その笑みに安心すると、俺は急いで湯船につかった。
「ふあっ…んぅっ…っぁ…」
予告通り急いで風呂を済ませベッドに戻った。キスや胸への愛撫を程々に、苺の身体を開いた。
驚いた事に記憶の中では常に無毛だったのに、丘にはしっかり陰毛が生え揃っていた。指を這わすと若干、頭髪より堅い感じがする。
割れ目からは蜜が滴っている。気持ち良さそうに涎を垂らしている様だ。小さい身体の小さい割れ目…ここに俺を受け入れてしまうんだ。俺と苺が繋がる場所。奥の方が充血していて、指を入れると懐かしい暖かさだった。
早く自身で感じたい……。目線で苺に訴えた。
「苺…」
「ん、大丈夫…。あたしも早く繋がりたいよ」
その可愛らしさにギュッと抱き締める。何度もキスを繰り返し、愚息の先端を割れ目にあてがった。
俺を包み込む様に広がり、抱き締める様に締め付ける。懐かしい暖かさ…懐かしい感触。
夢なんかとは比べ物にならない。こうして繋がっていても、ちゃんと苺がそこにいる。目元に涙をうっすら浮かべて、いつもより甲高い声で鳴いている。愛しい、愛しい俺の苺。
舌を絡ませ、その喘ぎ声を奪う。腰の抽挿はわざと激しく。快楽の声を封じられてしまったので、顔を真っ赤にして…眉間に皺を寄せ……我慢している。
ぐちゅ…ぢゅぶ…ぐちゅ…ぢゅぶ…っっぷぷ…
「ふあっんっ…あっ…っあ…くるしっっ…」
久々に胎内に愚息が包まれる感覚。汗のにおい。苺の快感に震える声。全てが現実で狂おしい程愛しい。
なぜだか感動してしまって、目の端から涙があふれる。ぐっと歯を食いしばり、腰を動かす。深く…激しく。苺の胎内が震え、愚息が強く締め付けられる。
苺が痙攣しながら悲鳴をあげた。胎内は一段と締め付けられた後、奥から蜜がこぷこぷと湧き出て来る。
俺も…全てがとろけそうな割れ目に、本日二度目の精を放った。
………………
ぼんやりする脳味噌。情時を終えてダルい身体をベッドに沈める。六年分の想いと性欲は一晩越しのセックスとなった。そう、あれから二回、三回と体位を変えて一晩中身体を重ねあった。
今、苺は気持ち良さそうに俺の腕の中で寝息をたてている。そっと身体を移動させ、苺にベッドを明け渡す。俺は下着を履いてベッドの端に腰を下ろし、窓の外に広がる明け方の空をぼんやりと眺めた。
なんの言葉もなかった。「好き」だとか「愛してる」だとか。結局昔と変わらない。このまま、ずるずると曖昧な関係を続ける……そんなのは絶対に嫌だ。
俺は一体なんの為に六年を過ごして来た?苺が好きだからだろう?苺に認めて貰いたくて…ただの冴えない幼馴染みから一歩表に出たくて……。
考えは一つの結果を打ち出している。……答えは決まっている。なのに…俺は……
「ん……?…聖?」
眠い目をこすり、苺が起き上がる。
「ごめん、起こした?まだ寝てていいよ」
手を伸ばし、苺の頭をそっと撫でる。しかし、なぜか苺はポロポロと涙をこぼし始めた。