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LOVE AFFAIR
【アイドル/芸能人 官能小説】

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12.花客に曝け出した散美-1

12.花客に曝け出した散美



「明日は……、遅くなるから時間ないんだけど。それに用事があるし」
 電話の向こうにも不機嫌そうな声は伝わった筈だ。
「何時になってもいいよぉ。俺はエッチしたいんだ、悠花ちゃんと」
 しかし村本は全く引こうとしなかった。昨晩仕事が終わってマンションに戻ると宅配ボックスに荷物が届いていた。差出人には所属事務所の名が記載されているが、住所はデタラメだ。悠花の事務所が連絡もなく何かを送付してくることは無いし、アニマル柄の下着を送られた時も同じ伝票の記載だった。つまりこの荷物はあの男から届けられたもの――、中を開けると手紙が添えてある。
『プレゼントが届いたら連絡してね』
 渋々村本に電話をかけると、明日会いたいと言い出した。村本が言う会いたいは、とりもなおさず悠花を思う存分抱きたいということだ。前は悠花が仕事を理由に断ろうとしたとき、あっさりと日時変更を了承して翌週を指定してきた。しかし今回は都合を告げても、全く譲ろうとしない。
「だいたい、何よコレ」
 箱の中には、紫のエナメル地の下着が入っていた。チューブトップのブラとヒップハングのローライズのショーツ。細いゴールドのチェーンやダミーストーンが各所に施されている。モデルとしての撮影ではまず着たことが無い、まるでBクラスのグラビアアイドルがセクシーさを補うために身に着ける水着ような安っぽさが感じられるデザインだった。
「くくっ。どぉ? 悠花ちゃんに似合うと思ってさぁ。それを履いて会いにきて欲しいんだぁ」
「無理よ。こんな……」
 何か衣装を選んで上から纏うわけだから、下着姿で出かけるわけではない。悠花が拒絶するのは下着のデザインのためではなかった。ブラの裏地は固い粗目の麻生地になっていおり、指でなぞるだけでも繊毛がチクチクとした。身につければ生地が乳首を中心としたバストに触れることになる。僅かに身を動かすだけでも中で肌が擦れてしまうだろう。そしてブラ以上に村本の悍ましいほどの淫欲が込められているのはショーツの方だった。表面に細かな凹凸が施されている、ノブ型をした樹脂素材の瘤がクロッチに取り付けられている。これを履くには突起物を身の中に入れ込むしかないのだ。加えて瘤の少し上部の裏地にはブラと同じような麻生地の畝が縦に作られている。明らかにそこはクリトリスが触れる位置だった。当然乳首と同様に粗い生地が悠花の挙動に合わせてクリトリスを擽ってくることになる。
 何てイヤラしい物を送ってくるのだろう。ラブホテルでキスを何度交わしても、男の精液を何度も浴び、何度その性欲の猛る男茎で貫かれても、こうして臆面も無く卑猥な物を送りつけてきて、こんな下着を身につけて会いに来させようとする下衆さには嫌悪感が沸いてくる。明日はバゼットに会い、デートをするためにやってきた彼に、別れを告げなければならないのだ。バゼットに抱いてもらうつもりはもう無い。だが誰の前で披露することは無いとはいえ、こんな淫猥な下着を身に隠して彼に会うことは彼に対しても、そして自分の矜持に対しても裏切り行為に他ならなかった。
「ふふっ、その下着だったら、悠花ちゃんもすっごくエッチになれるでしょぉ?」
「だから、仕事もあるし、人と会う用事があるの」
「あっ、なるほどぉ。デートなんだぁ。別にデートの帰りに俺に会いに来るのでもいいよぉ。……でも、カレシとエッチは禁止ね。迫られても、オチンポ挿れさせたらダメっ。明日はカレシも抱けなかった悠花ちゃんと、何発もヤレるんだぁ……、あはっ、最高だねっ」
「べ、別に、バゼ……。……私に彼氏が居ても構わないって言ってたでしょ?」
 セックスフレンドの誓いを迫ったとき、村本はバゼットとの関係を壊すつもりは無い、と言ったはずだ。
「カレシと別れなくてもいい、って言っただけだよぉ? いくら俺が悠花ちゃんの大ファンだって言っても、カレシとエッチした後でさせてもらうなんて嫌だもんね。もしもエッチして、シャワー浴びてからそのパンティ付けて会いに来ても、ニオイ嗅いだらわかるからね? 俺は悠花ちゃんのエッチなニオイ、完全にインプットされてるんだから。約束破ったら……、ね? わかるでしょ? どんな目にあっちゃうか」
 バゼットに抱かれる気は無いとはいえ、男に強制されると癪で仕方が無い。
 ――しかし翌朝、悠花はどれだけ逡巡しても卑猥な下着を身に着ける以外に道はなかった。たとえバゼットとの逢瀬がなくても、あの男の指示である以上、これを朝から身に付けなければ何をされるか知れたものではない。ショーツは両サイドがジッパーになっている。瘤を膣内に挿れてからジッパーを閉めることで下腹部に纏わせるということだ。


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