邪悪な教師と生徒-3
志鎌は口元を緩めて笑った。悪意を秘めた笑いに見えた。
「佐伯玲奈、純情可憐な雰囲気を醸し出しているが……ひと皮剥けば、別の顔があるかもな」
「別の顔……」
「児玉くん、玲奈先生の秘密を探りたいのなら、協力するぜ」
「ありがとう……」
腕っぷしがいい志鎌を味方につければ鬼に金棒だ。玲奈の秘密を暴いたら、光原からの謝礼は志鎌に渡せばいい。自分は謝礼よりも価値があることに賭けよう。二人はケータイの電話番号を教えあった。
児玉と志鎌は校舎三階に向かった。音楽室は奥まったところに位置している。
三階まで上がると、自然と忍び足になった。佐伯玲奈や二年のクソガキ・梶野に見つかってはならない。
音楽室の前まで来た。静かだ。窓ガラス越しに覗き込む。その瞬間、児玉は愕然とした。 玲奈と梶野和也はキスしていた。しかも、しかも、舌まで絡め合っているではないか。玲奈の顔、明らかに牝の色香を滲ませている。
口と口の弄り合い。そして、梶野は右手を玲奈のスカートの中に入れている。玲奈の足首やふくらはぎは悦びにぶるぶるふるえているように見えた。
ずれ上がったスカートの裾から薄紫のスリップがチラ見えしている。
ズボンの中で肉棒がぐーんと膨らんだ。
「とんでもない純情教師だな」
志鎌は囁いた。
「和也くん、誰かに見られたら退学よ。準備室に行きましょう」
「うん」
玲奈は、ブラウスの前を合わせて、ボタンを留め始めた。
音楽準備室は資料部屋だ。窓がない。二人は鍵を閉めてセックスするつもりなのか。
「志鎌くん、俺、準備室に入って隠れるから」
「俺は?」
「トイレにでもいてくれ。後から連絡する」
今に見ていろ、梶野和也。セックスなんかさせてたまるか。