邪悪な教師と生徒-2
児玉保昭は写真部の活動と称して、佐伯玲奈を盗み撮りしていた。ピアノを弾く玲奈。生徒と語らう玲奈。同僚の女性教師と昼休み、バレーボールに興じる玲奈。写真を撮りまくっていた。スレンダーな体型であるがゆえに、豊満なバストと肉厚のヒップが極まって目に映るのだ。お気に入りの写は、バレーボールでレシーブを打った瞬間、膝丈のフレアースカートが捲り上がり、純白のスリップの裾が一瞬見えたときを写した一枚だった。
足首から太ももにかけてのライン――綺麗だ。無駄な肉がいっさい付いていない。かといって、細すぎることもない。見事な脚線美――堪らない。
椅子に腰掛けた玲奈の前にひざまずいて、足の指から順番に舐めたい。だんだん上にいって、パンティー越しにクリちゃんをペロペロしたい。
児玉はいつもいつも妄想に耽っていた。
今、玲奈はあそこにいるはずだ。秋の市民音楽祭に参加が決まってから、放課後は音楽室であのクソガキと二人だけで稽古しているにちがいない。
三階に上がるため、階段目指して小走りになった。
おっ、 前から来るのは志鎌健二じゃないか。
同じクラスなのだが、親しい間柄ではない。つかみどころがない男だ。志鎌は空手部に入っていたが、二年の秋に退部している。
志鎌には悪の匂いがする。なんとなくする。
「志鎌くん、ちょっといいかい?」
「はあ?」
「さっき、光原と会ってた。頼まれごとをしたんだ。いや、されたんだ」
「うん?」
「佐伯玲奈先生のことを探ってほしいと頼まれた」
「佐伯玲奈……あの美人教師か……」
「光原の奴、玲奈先生にぞっこんらしい……。玲奈先生の隠された一面を探り出したら、謝礼を出すとまで言っていた」