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処女寺
【複数プレイ 官能小説】

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処女寺 〔前編〕-2

すると、母親の弥生が確認した。

「処女捧呈する側に負担すべき費用が一切発生しないのは、政府からお金が出ていたからなんですね」

「さよう。……逆に、大事な処女を捧げるというのに、礼金をもらえぬというのは理不尽なことではあるがの」

「いいえ。けして、そのようなことは望んでおりません」

「礼金は支払えぬが、メイどのには、今宵はさほど苦しまずに破瓜を終えてもらい、加えて、明晩には交情の喜びを、骨の髄まで教えてさしあげるゆえ、それで善しとなされよ」

「心得ております。娘には、きちんと伝えてあります」

「弥生どのは物分かりがいいので助かる。……先ほど、娘さんの処女捧呈申込書にある貴女の名前と、この寺の過去の記録を照らし合わせて分かったのじゃが、たしか、私の父が貴女の……」

「はい、昔、先代の玉翁和尚様に、女にしていただきました……」

「して、このたびは娘御をお連れくだされたと……。有り難いことじゃ」

玉泉は片手で軽く拝んだ。そして、改めてメイの容姿に目を向けた。

艶のある漆黒の長髪。抜けるような白い肌。瑠璃をはめこんだような光沢あるつぶらな瞳。低すぎず高すぎず輪郭のいい鼻。ルージュのお世話にならずとも血色のよい紅唇。そして、それらのバランスが絶妙だった。玉泉が接した多くの女性の中でも一、二を争う美しさ、可憐さであった。さらに、身体はと服の上から鑑定すると、やや小柄ではあるが、胸は80〜82センチほど。腰に贅肉はなく、尻は量感こそなけれど、触ればプリンとした手応えがありそうだった。何より、若鮎のような瑞々しさがあった。

「さて、さっそく今宵、本堂奥のわしの居室にてメイさんを女にしてさしあげるのじゃが……」玉泉は弥生のほうを見た。「その前に書類にひとつ押印してもらいたので、これから寺務所へ来ていただきたい。……ああ、メイさんはそのままここでお待ちください」

立ち上がって部屋を出た玉泉の後を付いてゆき、寺務所にて処女奉呈の書類の一カ所にハンコを押す弥生。その彼女に、住職が囁きかけた。

「夜、娘さんが破瓜を迎える間、お母様は手持ち無沙汰でありましょう。そこで、小坊主の珍念と萬念に、夜の伽(とぎ)を勤めさせます。貴女のために」

「ええっ? わ、わたくしに?」

弥生の頬に微かに血がのぼった。

「さよう。小坊主らは幼く見えますが、共に十四歳。身体はもう大人でございます。珍念は股間の一物は凡庸なれど若輩者とは思えぬ緻密な前戯と交情をいたします。また、萬念はこの年にしてすでに類い希なる巨根の持ち主。若いゆえ精力もあります。この二人が一緒に夜のお相手を勤めますので、貴女は娘さんの心配をして、無為に時を過ごすことにはなりません」

呆然となった弥生だったが、その目元に、わずかながら陶然たる色が浮かびかけたのを、玉泉は見逃さなかった。

 先客の女性が、昨夜の愉悦を思い出しながら寺を去ったのが午後三時頃。弥生たち親子は蓮華の間にて玉泉秘蔵の枕絵(男女閨中の秘戯を描いた絵)でも見て気分を高めるように言われていたが、二人とも卑猥な画集は開こうとせず、所在なく部屋のテレビを見て過ごしていた。

珍念と萬念は緋菊の間の掃除をし、食料の買い出しに行き、返ってきてからは慌ただしく夕餉の支度、風呂の準備、そしてもちろん寺の雑務もこなして、てんてこ舞いであった。しかし、彼らは今宵、美形の人妻を抱けるというので大張り切りだった。処女捧呈申込書には、弥生の年齢も書かれてあったが、40歳ということだった。熟女の域に達してはいるが、見た目はもっと若く、何より内に秘めた好色さを小坊主らは嗅ぎ取っていた。

いっぽう、玉泉は寺務所にて過去帳の整理をしていたが、手には赤まむしドリンクのビンが握られており、昨夜の疲れを吹き飛ばそうという意気込みが感じられた。いや、赤まむしの他にマカの錠剤の入ったビンもあったので、今宵の相手、メイへの思い入れの深さがうかがわれた。

 さて、本堂わきの萩の間にて、小坊主たち心尽くしの晩餐を食べた後、弥生とメイの親子は、連れだって浴室へ行き、玉の肌を磨くこととなった。その間、住職の玉泉は自室にて香を焚いていた。普段、本堂で焚く白檀系の香りではなく、官能を誘う麝香系の香りだった。そして、珍念と萬念は弥生を迎える緋菊の間にて、浅く大きな桶と深く小さな桶を用意して待っていた。大きなほうは空で、小さなほうにはぬるま湯が入っていた。

 かくして、午後八時。湯上がりの親子は貸し出された浴衣だけを素肌にまとい、廊下を歩いていた。そして、阿久メイは処女を捧げる玉泉の部屋へ、阿久弥生は小坊主たちの待つ部屋へと入っていった。


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