桜花の露、爛漫の秘肉-6
「ほうれ、これで大丈夫」
見ると一物は完全勃起の状態になっていた。女が腕を広げて私を待っている。身体が吸い寄せられるように、ふら ふらと女体に覆いかぶさる。
ふわっとしたものに乗った感触だった。女の顔が近くにあった。目尻に小皺があり、顎が少し二重顎になってい た。女はもう一回り年を重ねた風貌になっていた。だが、老醜は微塵もなく、熟し切った果実の長所があるばかりであった。
私は怒張を女陰に押し当て、一気に突き入れる。
「ああうっっっ……!」
女はひと声吠えた。そして、私が抽送運動を行うと、身も世もなく悶え始めた。
「ああんっ、いい! いいの……。これいいの……。すっごぐいいの……」
私の背中に両腕をしっかと回し、大股開きで私の尻に両脚を絡め、快感を貪ろうとする熟女。魔羅に絡みつく秘肉 はもはや爛漫といった感じのうねりを示し、男の陰嚢の泉から、さらなる精液を汲み上げようとする。
「あ”あ”あ”〜〜〜〜〜〜。いい〜〜〜〜〜。逝ぐ〜〜〜〜〜」
私は精の枯渇も省みず、怒濤の突き入れを繰り返す。延々と繰り返す。
「……死ぬ…………、死ぬ…………、死ぬ〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
えげつなく吠えて、熟女は激しく逝った。私も、搾り取られるようにして、糜爛した膣の最深部に四度目の精を嘔 吐してしまった……。
私は熟れた女の身体に突っ伏していたはずだった。が、違う感触を胸と腹に覚え、身体を起こすと、なんと、そ こにいたのは少女だった。脱皮を繰り返すがごとく、娘・三十路女・熟女と変化(へんげ)していたのが、また、初めの少女に戻っていた。
「兄さま。……えがったよ……。すんごぐ、えがったよ」
語る声音も少女のものだった。呆然と彼女を見ていると、ついと立ち上がり、素足のまま緋毛氈から草地に出て、 八重桜の枝の下へ行った。そして、腕を伸ばして花弁を一つ毟り取ると、駆け戻ってきて私に差し出した。
「これ、吸えばいいよ……。さ、吸えへ……」
吸えと言うので、瑞々しい花弁に唇を当てると、露というか蜜というか、ともかく甘い水分が感じられた。強く吸 うと、甘露がどんどん溢れてきて、私の喉を潤した。四度の吐精で疲労の溜まっていた自分の身体が、少しは楽になるのが感じられた。
そうして、少女は着物を拾い、身繕いすると、裸のままでいる私の手を取った。
「返るべ……」
静かに歩き出した。私も衣類のことは口にせず、従容たる足取りで彼女に従った。
八重桜の林を抜け、しばらく歩いていると、あたりがだんだん暗くなり、やがて、私たちは闇の中を進んでい た。
そして、いつの間にか、少女と出会ったしだれ桜の木の根元に、二人並んで立っていた。
「兄さま。今日はどうも、ありがっとうさん……」
少女が微笑んだ。その笑みに艶冶な色合いはなかった。どことなく寂しげな、名残惜しそうな感じが漂っていた。 私は思わず、ひざまずき、彼女を抱きしめた。