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変容
【教師 官能小説】

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馴致-10

 陰茎が締め付けられる感覚を感じた男は抽挿を再開した。
 再開前と同様にその動きはゆっくりとしたものだ。顎を手放された恵は再び四つ這いになっている。

 背後から抜き差しされる陰茎を感じながら、恵はこのゲームの勝算について考えた。

 3回のアナルセックス…それにかかる時間はどれくらいだろうか。
 計った事など無いが、夫とのセックスは1回あたり20分程だった気がする。その内訳は前戯と挿入が半々ぐらいか。いや、最近は手抜きが多くなり、前戯は数分。挿入時間も短かった。

“…ダメ。あの人とのセックスは参考にならない。”

 じゃあ、大学の頃の彼は?彼とのセックスはどのくらいだったろう。

 これも正確とは言えないが、多分30分くらいか。でも、前戯の時間が夫より長いだけで、挿入の時間自体はそう変わらない気がする。

 過去の経験から時間を推測しようとする恵だったが、その試みは上手くいかなかった。もちろん、最も参考になるのが男とのセックスである事は分かり切っているのだが、恵にはそれができない理由があった。男とのセックスで『我を忘れて感じてしまった』からだ。
あのセックスでは時間感覚など全く機能しなかった。


 悔しいが、男のテクニックは夫や大学の彼とは比較にならない程上だ。アナルセックスは初めてだが、先程までの感じからすると、もしかしたらイかされてしまうのかもしれない。だけど、やっと巡ってきた解放のチャンスを無駄にしたくない。
 結局、このゲームをどれほどの時間耐えねばならないのかは分からない。ただ、はっきりしているのは「男が3回射精したら終わる」という事だけだ。
 多分、時間がかかればかかる程イかされるリスクは高まるだろう。前回同様されるがままだったら、私はきっと勝てない。だったら…

 恵が導き出した答えは「積極的に男を射精させる」というものだった。

 それは確かに、男に身を委ね、されるがままの状態でただ耐えるだけだった前回の教訓を生かした方法ではあったが、では具体的にどう積極的に男を射精に導くかという点については、恵は全く思いつかなかった。

“どうすればいい?”

 過去の記憶を掘り返してみても、男性を喜ばせる為に何かした記憶など無い。セックスはいつも受け身で、せいぜい数分間フェラチオするぐらいだった恵が性技など持ち合わせているはずもなかった。

“こんなことならアダルトビデオくらい見ておくんだった…”

 風俗は言うに及ばず、ビデオや本の類すら気持ち悪いとしか思っていなかった恵は、もちろんAVなど見た事もない。
 そんなものは好奇心旺盛な中高生か女性にもてない男性が使うもので、まともな既婚男性が関わるものではない。ましてや女性が見るなんてありえないと思っていたのだ。


 尻の穴を犯されながら勝利の手だてを模索する恵を観察しながら、男は黙々と同じ作業を繰り返していた。

“そうだ。そうやって意識を別の所に向け続けるのが正解だ。そうしてる間は感じずに済む。”

 図らずもこのゲームに勝つ方法を実践している恵だが、無論、それに気付いてはおらず、男を射精させる具体的方策を懸命に考えていた。

 男を射精させる為には陰茎に刺激を与えなければならない。今はアナルによって刺激されている状態で、これを続ければ確かに射精するだろうが、それまでの時間を短縮する為には何が必要だろうか?

“声を出す?”

 喘ぎ声を出して気分を盛り上げる方法はどうだろう。
 前彼とのセックスでは控えめながら声を出していた。ただそれは半分以上は演技であり、風俗嬢の様に派手に喘ぐのは恥ずかしくてしたことがない。セックス好きと思われるのはイヤだったし、はしたないと思っていたから。子供が横に寝ている状況で行う夫とのセックスでは、声などほとんど出さなくなっていた。

“ダメ。上手くできる自信が無いし、この状況を喜んで受け入れているみたいになっちゃうし…”

 今更、体裁を気にする理由は無く、男にどう見られようともかまわないはずの恵だが、女性としての羞恥心と教師としての自尊心から、どうしてもその方法は選択したくなかった。

“それなら、刺激を強くする?”

 夫や前彼に口でしてあげた時に「もっと強くして」と言われた事がある。敏感な部分だろうからと優しくしていた恵は、痛くないんだろうかと思いつつ、言われるがままに口をすぼめて刺激を強めたのだが、二人ともそれが気持ち良かったらしく、快感のうめき声を上げた。
 『刺激が強い方が気持ちいい』ということを学んだ恵は、以後、フェラチオをする時には意識して少し強めに口を締めるようにしている。

“アソコは締めれないけど、お尻なら出来る。ゲーム開始の合図がまさしくそれだった。それに、これなら四つ這いでも大丈夫だし。”

 恵の数少ない経験を元にひねり出した案は、肛門を締めて陰茎に対する刺激を強め、射精を早めるというものだった。


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