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LOVE AFFAIR
【アイドル/芸能人 官能小説】

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9.綻び-3

 悠花は息をついて部屋に戻った。畳の上に無造作に置かれているノートパソコンの電源ボタンを押したが、充電を全て失ったためか、復帰はしなかった。忌むべき過去の画像。今日はそれを消すために来たのだ。ノートパソコンのディスクからそれを消し、ネットドライブから消し、男のスマホからも消す……。ここに来た目的を考えれば、男を叩き起こしてそれを迫るべきだった。
 スキニーの中で、男の陵辱が垂れ落ちてきた。
 男とは話す気になれない。諦観にも似た思いを抱えながら、悠花は玄関に向かうとそのままアパートを後にしたのだった。早足で住宅街を抜け、幹線道路でタクシーを捕まえる。行き先のみをつぶやき、座席でサングラスを掛けて腕組みをしながら押し黙り外を眺めていた。自宅の前に降ろされても、何も言わず料金を払い、マンションの自分の部屋に戻る。そのまま衣服を脱ぎ捨てるとバスルームに向かいシャワーを浴びた。ボディソープで何度も体を拭っても、男の汚辱は落ちない。自分の部屋に戻り一人になったら泣くつもりだった。しかし号泣してもおかしくないのに、頭からシャワーの水流を浴びても涙は出てこなかった。
 不本意な相手に犯されたことに対する単純な心情ではなかった。常識的には憤怒や怨憎のみを感ずるべき相手――、しかも世の中の女性の大半が嫌悪するような醜貌の相手の、唇を吸い、唾液を啜り合いながら、悠花も望んでオーガズム交わし合ってしまった。後悔、そして快楽の奴に身を貶めてしまったことに対する自己嫌悪。バスルームを出て、髪に巻いたバスタオルに雫を吸わせながら部屋に戻る途中で、失っていた記憶がフラッシュバックしながら蘇ってくる。
「んあっ……、悠花ちゃんっ……。また出ちゃうっ!」
 エアマットの上に仰向けに寝かされ、ブーツを履いたままの脚を大きく腹で割り開かれて、男茎を深々と突き挿れられたその頭上から村本が叫ぶ。収まらない勃起が悠花の中で立ち上がろうとして、上壁を亀頭の傘で強く擦ってきていた。
「ああっ……、イヤッ……。また……」
「は、悠花ちゃんもまたイッちゃう? ……いいよぉ、俺のチンポで思いっきりイッて。……はあっ、ぁぁ……、悠花ちゃん。チュー、しよぉ……、チューしながら、一緒にイッちゃお?」
 下着を被った男がヨダレまみれの舌を差し出しながら、真上から自分へ迫ってくる。
「んあっ……、はぁ……」
 ネイルを彩った指先を体毛に絡めるように腕に突き立てしがみつきながら、悠花は頭を少し上げて自分から舌を迎えに行っていた。ピチャピチャと淫猥な音が悠花にも聴こえる。
「んぐっ、最高にエッチだよぉ、悠花ちゃん。……これからもいっぱいエッチしようね? 会う度にたっぷりエッチにしてあげるから。……ね? いい?」
 唇を吸いながら村本が迫ってくる。悠花は絶頂のすぐ手前まで押し上げられ、やがてまた目眩しいほどの快感に浸れる期待感で、腰を持ち上げて亀頭を迎えに行きながら、うなされるような表情で二度三度頷いた。
「あはっ……、ほら、悠花ちゃん。ちゃんと言って?」
 顔に何か向けられる。村本のスマートフォンだ。画面を見やると、動画の録画が既に始まっていた。
「あ……、あ……」
 証拠が残されようとしている。思わず腰を止めて逡巡してしまう悠花に対し、今度は村本の方から亀頭の先が押し付けられてきた。
「んあうっ……!」
「ほら、俺とのセックス気に入ったんでしょ? 悠花ちゃん……、瀬尾、悠花、ちゃん?」
「や……、名前……」
「ほらっ、俺と悠花ちゃんは、セフレだよね? 言ってくれたらまたイケるよ? イキたいんでしょぉ?」
 腰の動きを緩めて焦らしながら、村本はスマホを悠花へ向けたまま、もう一方の手の爪先で、硬く勃起したままの乳首を弾いてくる。
「キャウッ!」
 ……乳首を襲う痛心地良い感覚に、悲声を上げて、「んんっ、イ、……イカせてっ……」
 思わず悠花は動画カメラに向かってそう発していた。
「じゃ、なるよね? セフレ。これからも、いっぱいエッチさせてくれるよね?」
「んんっ……、なる。なるから、はやく……」
 言い終わらぬうちに唇を吸われ、唾液の跳ねる音の中に村本の絶叫が響くと、膣内で男茎が暴れまわって一気に熱く精液が浸潤していった。刹那に悠花の下腹部を溶食させるように絶頂の波が襲ってきて、唇の中で同じく悲鳴を上げていた。


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