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LOVE AFFAIR
【アイドル/芸能人 官能小説】

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9.綻び-2

 控室に入りドアを閉める。カーペット敷の六畳ほどの控室は対面のソファセットと衣装棚のみのシンプルな造りだ。ローテーブルには仕出し弁当が置かれていたが口をつけていない。悠花はソファに座ると息をついた。その様子が壁に掛けられた鏡に一部始終が映っている。仕事をしていてもプライベートでも、鏡から逃れて生活をすることはできない。鏡に自分の姿が映る度に「あの日」の自分を鮮明に思い出してしまう。忘れることなどできない。
 セックスフレンドとなる誓いのキスをしたまま、絶頂に合わせて夥しい精液を浴びてからも、村本は悠花を貫いたまま離れることなく犯し続けた。意識がとぎれとぎれになりながら、男茎に内壁を擦られて繰り返し絶頂を味わい、無意識のうちに埋められた男茎を締め付けて、穿つ亀頭へ愛液を浴びせ散らしていた。キスで舌を絡め合わせながら獣のポーズから、正常位、対面座位と、抜かれずに体位を変えて美貌と肢体を存分に愉しまれ続けた。
 そして気がつくと、エアマットの上で突っ伏していた。最後に気を失ってしまっていたらしい。まだ下腹部が痺れていた。
(んっ……)
 脚を崩してマットに横座りするまで気だるい身を起こすと、奥のほうからドロリと男の精液が流れ落ちてくる。男が体から離れても、まだ胎内に男の劣情の残滓が残っているように思えた。両手は離れて自由になっていた。途中で男に外されたのかもしれないが、最早よく憶えていない。腕に残されたままだったカルティエを見ると、もう日付が変わろうとしていた。
 傍らを見やると村本が全裸姿で畳の上にその醜い体躯を丸めて横たわっていた。眠っているのか、連続射精に精も魂も尽き果てて意識を失っているのか、静かに転がっていた。悠花はマットから降りて立ち上がった。己が身を見下ろすと、ラメ生地のトップスとデニムミニスカート、そしてスウェードのニーハイブーツ。それはこの部屋に導かれた時のままの姿だった。しかし、トップスもブラも捲り上げられてバストが露出し、デニムミニも捲り上げられて下着は取り払われていることは夢ではない嬲られた証だった。ゆっくりと部屋の入口辺りに転がっているショップの袋へ近づく。歩みを進めるとまた精液が脚の間にドロッと垂れ落ちてきた。紙袋の中から今朝着てきた衣装を取り出して緩慢な動作で着替えを始める。ラメ生地のトップスを脱ぎ去ろうと、ふと見ると、男に振り撒かれた精液が固まって白く乾いていた。服を貫いて染みこんでいた分も、乾いて肌を引っ張るように固まっている感覚が不快だった。ブラを付け直してキャミソールとブラウスを着たあと、デニムミニをストンと落とし、ブーツで踏みながら脚から抜き取る。下腹部は何も身につけていなかった。直接秘所を覆うべき薄布は、眠りこけている脅迫者の顔面に張り付いている。男のヨダレと悠花が漏らした悦びの雫が染み込んでいるのだ。それを取り返して脚を通す気にはなれない。暫く悩んだが、意を決してブーツを脱ぎとると、スキニージーンズにそのまま脚を通した。まだ精液が胎内に残っているかもしれないが下着無しでそのまま身につけることを選んだのだ。自宅を出た時と同じスタイルに戻るが、ヘアスタイルだけは、サイドアップにまとめ直すのも億劫で、髪を下ろしたままにする。見下ろすと、男の傍に、悠花の腕から外されたトラロープがとぐろを巻いていた。しゃがんで手にとる。両手で伸ばすと、トラロープの縞模様をじっと見た。
 これで男の頚を絞めれば――。
 夢が叶った満足感で静かに寝息を立てている男が恨めしかった。自分をこんなに貶めた男に、最大の不幸を味あわせてやりたかった。しかし絞めにかかって抵抗されると、相手は男だ、悠花の力では跳ね返されるかもしれない。そう思ってトラロープを置いて立ち上がると、キッチンの方へ向かった。床に鳴るブーツの音で男は目を覚ますかも知れないがどうでもよかった。洗い台の下の収納を開いてみると、扉の裏に据えられた包丁ケースはどれも空だった。周囲を見回しても刃物は何もない。それどころか食器棚すらもない。シンクはずっと使われていないようだった。改めて見ると、この部屋には全く生活感が無かった。


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