揺れる想い-13
ケンジは隣の部屋から物音が聞こえるのに胸騒ぎを覚えた。彼はベッドを降りると部屋を出て、マユミの部屋の前に立った。そしてドアを少しだけ開けて、隙間から中を窺った。
「イくんや、マユミはんも。遠慮せんとイくんや!」
ケネスの上気した声にマユミの身体は魔法に掛けられたように熱く興奮し始めた。「あ、ああああ、熱い、熱いっ!」
ケンジはその場に凍り付き、身体の中から沸騰したものがあふれ出す気がした。妹がケネスに押さえ込まれ、犯されている! さっき自分を犯した男が、今度は自分の最も大切な人を犯している!
ケネスとマユミが繋がり合った部分の直下のシーツは真っ赤な血に染まっていた。
「イ、イくで、マユミはん、わい、もうイく……」
「あああ、あたしも、ああああああ!」
「で、出るっ! ぐうっ!」びゅくっ! びゅるるっ! びゅく、びゅく、びゅくっ!
「ああああああ、イっちゃうっ!」マユミは悲鳴を上げて身体を痙攣させた。
二人が一つになって絶頂を迎え、身体を震わせている姿を見て、ケンジは思わず大声を出した。
「マユっ! マユっ!」
そして彼は愛しい妹の名を叫びながら部屋に駆け込んだ。
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