秘密の恋人-7
「マユ……」ケンジは優しくマユミにキスをした。マユミはケンジの背中に腕を回した。そしてそのまま二人は柔らかなカーペットの上に倒れ込んだ。
「ケン兄、横になって」
「マユは上になるのが好きなのか?」
「ううん。今日は……」マユミはそう言いながら、仰向けになったケンジの黒い下着の膨らみに手を当てた。
「マ、マユ?」
ケンジのその部分はすでに大きく硬く怒張していた。マユミはおもむろにケンジの股間に顔を埋めた。
「マユっ!」ケンジは頭をもたげ、慌てた。
マユミは彼の下着を一気に脱がせ、飛び出して跳ね返ったそれに舌を這わせ始めた。
「だ、だめだ! マユ、やめろ!」ケンジは上半身を起こし、真っ赤になって叫んだ。
上目遣いにケンジを見上げたマユミは言った。「オトコの人ってこういう事されたいんでしょ?」
「む、無理しなくていいよ。マユはそんな事しなくてもいいから」
「えー。気持ち良くしてあげたい。ケン兄を。昨夜あたしにもしてくれたじゃん。同じような事」
「い、いいよ、マユ、お、俺、おまえにそんな事されなくても、ああっ!」
マユミはケンジの制止も聞かずその大きなペニスを咥えた。そして口を前後に動かし始めた。
敏感になった先の部分にマユミの歯が少し当たって、ケンジはじりっとした痛みをそこに感じた。
「う、ううっ! だ、だめだ……マ、マユ……」
マユミが舌を使ってその先端を舐め始めた時、
「あ、ああっ! マユ、マユっ! やめてくれっ!」ケンジはとっさにマユミの口から自分のペニスを引き抜いた。そして膝立ちになり、自分の手でそれを握りしめると、「ぐっ!」と言って身体を仰け反らせた。
ケンジが慌てて両手で自分のペニスを包みこんだ瞬間、
びゅるっ! びゅくびゅくびゅくびゅく!
ケンジは自分の手の中に激しく精を放ち始めた。彼の指の隙間からはぼたぼたと白い液が床に大量に垂れ落ちた。
「も、もう、ケン兄。なんで抜いちゃうの? あたしの口の中に出せばいいのに……」
「ばっ! バカ言うな! そ、そんな事できるわけないだろっ!」
ケンジは慌ててベッドの枕元に置いていた箱からティッシュを数枚手に取り、どろどろになった自分の手で床に溜まった自分のまだ温かい液を拭き取った。
「なんで?」
「おまえにそんな事させたくない。おまえはAV女優じゃない」
「え? なんでこれがAV?」
「だ、だって、AVでしかやんないだろ、そんな事。それに、こんなどろどろしたの、おまえの口に出せるわけないよ」
「もしかしてケン兄、AVも隠し持ってるんだ」
「そ、そりゃあ、俺もオトコだからな。DVDの一枚や二枚……」
「今度見せて。あたしも研究したい」
「研究? 何を?」
「どうすればオトコの人が気持ち良くなるのか」
「いや、あれは演技であって、虚構の世界だから」
「ケン兄のためにいろんなテクニック身につけたいし。それに、ケン兄の持ってるAVだったら、ケン兄の好きなテクニックでイかせたりイかされたりするんでしょ? あたし、ケン兄にもっと気持ち良くなってほしいもん」
「あのな、マユ、オトコってのは、キホン射精すればいつでも気持ちいいもんなんだ。だから逆に俺がおまえをどうしたら気持ち良くできるかって事を、俺が考えるべきなのであって、」
ケンジが真っ赤になって熱弁している言葉をマユミはあっさり遮って言った。「あたし、キホンケン兄に抱かれるだけで気持ちいいもん」
「う……」
「じゃあさ、AVみたいにケン兄、あたしを相手にやってみてよ」
「えっ?!」
「女優さんをイかせるテクニックを再現してみて」
ケンジは目を輝かせた。「よ、よしっ! 任せろ、マユ」
彼は焦ったようにマユミの背中に腕を回して、ブラのホックを外し、するりと腕から抜き去った。
「あはは。俄然張り切りだしちゃったね。ケン兄」