the end of world-1
「親父さん聞いてくれよ、、、」
「ヘイ、何でしょう。」
「俺はな今日でリストラされたんだ。まだ42でだぞ?いくら就職難つたってこれからの人生どう暮らせってんだよ俺には妻も娘もいるんだぞ?ったく飲まなきゃやってらんないよ、、もういっぱいくれ、親父。」
「へい」
と今時なぜか橋の下で屋台を出している親父に愚痴をグチグチいいながらたのむ。
「今日会社行ったら、もう来なくていい、だぞ?なんだコンチクショー、俺が何したってんだ。」
「お客さんの会社はなにしてんですかぃ?」
飲んだくれた客の前に熱燗を追加する。
「ん?アレだよ、アレ。運送業だよ。木材とかの、しっかりやってたんだぜ、おりゃ。」
「それは災難でしたねぇ。」
その屋台の親父は嫌味っぽくなく、それも干渉しすぎるわけでもなく答える。
「ったくよつぼみー、絵里ーおれはどうすればいいんだよ、許してくれ、、、」
と、18パイ目を飲んだとたん力尽き大きなイビキを橋の下で響かした。
やれやれ、と思いながら親父はその男に用意してあった毛布をかけ、雲一つない星空を見上げた、ここは町の光も少ししか届かなく綺麗な星空が見える、そして妙に赤く光るほしも主人の目にははっきりと見えた、、、
「あん?」
昨日リストラ(別名リストラクチャリング)された、山川竜希は澄み切った空の下で目が覚めた。
とりあえず起き上がった竜希はひどい二日酔いで頭がガンガンしてしょうがなかった。
「イツツ、、、」
といいながら周りをキョロキョロと見回す。目の前には川そして右側には橋、左側には走っている老人、そして後ろには、、、なにもない。
「親父〜、、」と小さく呼んでみる、別に意味はなかったが、なぜか口に出た。
もうそりゃこんな朝っぱらから屋台なんてやってるはずないか、、、と思いながら立ち上がり、リストラのことをどう話すか、悩みながら家までの道を歩いた。
考えてもたいした案は浮かばず、家に帰ってきてしまった。
「どーすっかな、、、。」
数分、ドアの前でうろうろする。しかしやっぱりいい案なんか思いつかない。
「こうなりゃ突撃だな、、、」
と決心し、深呼吸を3回し、、、通りがかったおばさんが笑っていた気がしたが、とりあえず思い切ってまだローンが17年残っている家の鍵をあけた。