the end of world-4
「どうでした?」
「その話は本当みたいだな。」
と言ってイスに座る。
「焦ったりしないんですかぃ?」
「んー全然実感わかないからな。親父さんはいいのかい?」
「私ですか?もう全然死ぬときはこの屋台と一緒ですからねぇ、、、」
と言って屋根を支えている柱をなでる。
「お客さんこそ、いいんですかぃ?なにか最後の時を過ごす物は」
「なーにオレだって、17年ローンしか、、、」
竜希は最後まで言わずにイスを跳ね飛ばし立ち上がった。亭主はわかっていたようになにも反応しなかったが。
「いる、、、オレの子供、つぼみ!」
と言ってそのまま走り出した。
亭主は跳ね飛ばされたイスを戻し、タバコをくわえ、また柱を撫でた、、、亭主は最後の時まで、今までの思いをこめ、なでつづけた。
「はぁ、はぁ、、、」
やはりもう40代になるこの体にはココまでの距離を全速力で走ったのは少し無理があったらしいもはや足が棒のようだった。しかしそんなこと気にせずドアノブを思いっきりひねる。
そしてリビングを見渡す。
そこには床に落ちている紙がー!
「そうか、出て行ったんだっけ。」
いまさらになって気づく。やっぱりオレに残されたのは、、、とか言ってられなかった。
竜希はどうしても、つぼみに会いたかった、まだ3歳の素直で可愛くてしょうがなかったつぼみに、ついでに妻の絵里も。
とりあえず絵里のケータイにかけて見る。
トゥルルル、トゥルルル、、、ガチャ
「もしもし!絵里か!」
「こちらはお留守番サービスでございます。おかけになった電話は、、、」
竜希は受話器を置き、絵里の実家にかけて見る。
トゥルルル、トゥルルル、トゥルルル、トゥルルル、、、
今度はいくらたっても出ない。
竜希は静かに受話器を置き、リビングのソファに脱力したように寝転がった。