the end of world-3
亭主も間に合うはずもないだろう、と思っていた、24時間なんてあっという間だ。
「客さん、地球が終わりだってよ、、、」
とラジオに向けていた視線を竜希に戻すとそこには酔いつぶれて、寝ている竜希がいた。
「やれやれ、地球が終わるってのに」
と、いいながら、亭主が竜希に昨日と同様毛布をかける。そして亭主はタバコに火をつけ、煙をはきだす、その煙は赤い星の回りに少しとどまったような気がした。
「んん、、、、」
強い太陽光で目を覚ます。竜希の頭はやはりガンガンしていたが、昨日の朝よりは少し楽ではあった。起き上がり、なんとなく後ろを見るとそこには亭主がまだ屋台を開いたままでいた。
竜希は少しフラフラしながら、親父に話しかけようとしたが、一瞬、亭主は泣いているように見えた。
声をかけるべきか悩んでいたら、亭主の方が気づいて自分の方に顔を向けた。しかしそこには涙なんてなかった。
「おや、やっとおきましたかい。」
「あっ、ああ、世話になったな、と毛布をたたんで渡す。
「にしても聞きましたかい?今日でこの地球が終わるらしいんですぜ。」
竜希は何を言っているんだ、と思ったが、冗談として受け止めた。
「またまた、そんなこといって、、、」
「いえいえ、本当ですよ。なんなら橋の上に上がって見たらどうです?」
といわれ、亭主のただならぬ雰囲気に、そんなことないだろう、と思いながら橋の上に上って見た。
いつもより橋は車通りが激しかった事意外、竜希には普通に見えた。なんだやっぱり、と思ってまた橋の下に戻ろうとした時、橋の上のおばちゃんが指を空に向かって指していたのがなんとなく気になった、そして自分もなんとなく空を見上げる、そこには一面の青い快晴の空、の中に紅い月が浮かんでいた。ように竜希は見えた、しかしこんな真昼間から?少し状況はつかめてきてはいたが、一応さっきのおばちゃんに聞いて見る。
「あの、あれは何でしょうか?」
するとおばちゃんが振り向いた、気づかなかったようだがそこには小さな子供もいた。
「なに、あんた知らないの!あの空に浮かんでるの、あれは隕石なのよ!ここに落ちてくるのよ、もう!なんで国のえらい人たちはもっと早く気づかなかったのかしらねぇ、、、」
そしてそこからおばちゃんの国政への愚痴が始まった。やっぱり日本のおばちゃんはよくしゃべる、、、
待ちきれなくなった、竜希はあと30分は続きそうな話を区切って言った。
「あの隕石はあとどのくらいで落ちてくるんでしょうか?」
「だいたい、今の内閣総理大臣が、、えっ?」
そして区切られたのを少し不満そうな顔をしながら時計を見て
「そうね、今日の終わりごろに大気圏突入とか言ってたから、あとせいぜい12時間ほどかしら」
「そうですか、じゃそれでは。」
とまたおばちゃんの話が始まんないうちに亭主の所に戻る。