はめ殺し-11
ベッドの上、ぐったりした瑞江が浮浪者に目をやると、彼は外した避妊具の端を結び、天窓からの明かりに透か して見ていた。
「二度目の射精だったけど、けっこう濃いのが出たぜ」瑞江に笑いかけた。が、その笑みを少し曇らせ、立ち上 がった。「コンドーム、もう無いんだよな。……残念だけど、これで終わりだ。……楽しかったぜ」
「ま、待って……」気だるさを押しのけ、瑞江が起き上がった。そして、恥ずかしそうに言う。「まだ出来るんで しょ? ……それなら、コンドーム無しでも……いいわよ」
今日は自分の言動に驚きっぱなしの瑞江であったが、この発言も少なからず彼女をびっくりさせた。
(生でやろうっていうの? 瑞江)
自分の中の良心が非難したが、身体に巣くう淫蕩な甘さと、男の股間で揺れる一物への名残惜しさが彼女を積極的 にさせた。
「お願い。生でいいから…………、して」
色っぽい目つきで言われ、浮浪者はベッドに戻った。そんな彼にしなだれかかり、瑞江は自分からペニスを銜(く わ)えにいった。微かに栗の花の臭いがする亀頭を舌の上で転がし、色素の沈着した肉茎を下から上へ舐め上げる。
(女性誌には、こんな色のペニスを『淫水焼けした男根』と書いてあったわ、たしか)
妙なことを思い出しつつ、瑞江は口の奉仕を続けた。そうしているうちにも、浮浪者の指は彼女の割れ目に潜り込 み、二度目の交情の下準備をしていた。
完全に復活を果たした肉竿は女の唾液を纏ってテラテラ光っていた。避妊具無しの抜き身である。それが、今、 瑞江に入ろうとしている。
「今度はバックでやらせてくれよ」
男に言われ、人妻は素直に四つんばいになり、豊満な尻を突き出す。浮浪者はその後ろに回り、怒張の狙いを定 め、ブッスリと突き刺した。
「んあっ……、す、凄い!」
いきなり奥まで突かれ、瑞江はシーツを鷲づかみにする。そして、コンドーム無しのペニスの質感に酔いしれた。 肉茎を這う太い血管の凹凸が気持ちいい。亀頭の粘膜と膣襞との接触が気持ちいい。そして、鈴口の先から滲み出る男の透明な液、そのぬめり が気持ちいい……。
「あんーー、……あんーー、……あんーー」
バックから突かれ、瑞江は鼻を鳴らす。男の下っ腹が白い臀部に打ち当たり、パンパンと音が鳴る。勢い余って外 れたペニスがまた入れられ、ブブッと卑猥な音が鳴る。賑やかな音の競演を伴いながら浮浪者の攻めが続くと、
「ああ……、また、いく…………。また、いっちゃうぅぅーーーーっ!」
瑞江の身体に早くも痙攣が走り、深い「逝き」が彼女を抱きすくめた。男はひくつきを魔羅でしばらく味わってい たが、膣の収縮がある程度治まると、またもや尻を打ち振り、女に肉の楔(くさび)を打ち込んだ。
「あう〜〜〜〜〜ん。……だめぇ〜〜〜〜〜。あっうううう〜〜〜〜〜ん」
瑞江のひたいや首筋、背中には、いつしか玉の汗が浮かび、身体の火照り、感じ方の深さを物語っていた。
(クーラーをつけているはずなのに、なんて暑いの)
バックからの衝撃でヒップが激しくたわみ、逞しい剛根を呑み込む膣口からは愛の飛沫が飛んでいた。淫臭が盛ん に立ちのぼり、天窓付近まで達する。その窓は開閉式ではなくフィックス(はめ殺し)タイプなので、臭いは抜けず、天井をさまようばかり……。
「ああ〜〜〜〜〜ん。……凄い。……ま、また逝くぅう〜〜〜〜〜!」
そして、尻肉をブルブル震わせて、都合七度目の絶頂を迎えた。激しく収縮を繰り返す膣の中の勇根は精を漏らす そぶりを露ほども見せず、食い締めてくる女の秘肉を平然と跳ね返していた。