見えざる凌辱者-10
姉の由紀と恋人の恵美を「先輩」は重ねあわせてセックスに溺れてきた。
それに違和感を感じさせる。
恵美は口からぺニスを出して、勢いよく扱いた。目を閉じた顔に精液のねっとりとした感触と牡の性臭をレイは感じた。
それを指先でぬぐうと「先輩」の唇に精液のついた指先を近づけ「舐めなさい」と言った。
指先に「先輩」の舌の感触が伝わってくる。
精液を舐めさせると、レイは見えない「先輩」に抱きつき、背中を爪で引っ掻き、さらに歯形がついて血が出るほど噛みついた。
口の中に血の味を感じた。逃がさないようにしがみついて、傷口を舐める。
さらに首筋や鎖骨のくぼみを舐め「先輩」の乳首に到達すると、感じさせるためではなく痛がらせるために強く吸った。
レイは立ち上がり「先輩」の腹部を踏みつけた。
「じっとしてなさい」
レイは足の裏で勃起しかけているぺニスを軽く踏みつけて、足の指を使い扱いてやった。
「踏みつけられて、こんなにおっきくして。痛いのが好きだったの?」
足の裏で扱き、いきそうになると寸止めした。
恥丘のあたりのわれ目を指でかぱっと開いてみせて、笑いながら「ここに入れたいの?」と挑発する。
起き上がろうとする胸板を踏みつけた。
「ダメ。見ながら自分で扱いて出しなさい」
足の下でしばらく体が悶えるように動いていたがおとなしくなる。
「先輩」は自分で扱いて射精したらしい。
すぐに上から重なり、射精したばかりの敏感なぺニスを手と唇と舌でなぶってやった。
すぐに勃起してくる。レイは仰向けになりM字に開脚した。
「ねぇ、入れていいよ」
見えないが上からかぶさってきてぺニスを挿入してきた。レイはわざとらしく「あぁ、いいっ」とか「感じちゃう」と言った。
性器の性感を遮断しているので、レイは「先輩」の体の動きしか感じていない。
「ねぇ、首をしめて。そうよ、もっと強くぅ」
レイは背中をのけ反らせ息苦しさを感じた。
(くっ、まだなの……やばい苦しい。ジュリアがワインを飲ませすぎたからだ)
ようやく首を絞められた恵美の、本当の深層意識が危険を察知して、ニセモノの恵美の意識を顕在意識から排除しようとする。
レイはそれに逆らわなかった。
深層意識からレイの自我は自分の体へ逃げた。ニセモノの恵美の意識を由紀にプレゼントしてやった。
由紀は弟に首を絞められながら中出しされて、快感と苦痛を同時に感じながら窒息して気絶した。
気絶した間の顕在意識の隙。
そこにニセモノの恵美の意識が侵入する。
レイは自分の体に戻ってくると、思わず首を撫でた。
まだ絞められているような気がした。
恵美がゆっくりと身を起こして、レイと護摩木が燃える炎をぼんやりと見つめた。
もしも、また由紀が恵美の意識に同調をしようとすれば、恵美の深層意識は危険と判断して由紀の意識の侵入前に強制排除する。
さらに由紀の意識に侵入したレイが仕掛けたニセモノの恵美の意識が由紀の顕在意識の中で発動する。
ジュリアの呪符。
恵美の意識に姉とセックスしている「先輩」の意識を恵美に視させていた。
そのおかげで恵美の顕在意識から由紀のコントロールが可能になり、また恵美の深層意識の防御規制の発動が遅れてレイも窒息しかけた。
実の姉なのに愛している気持ち、うしろめたさ、逆らえないと感じている怯え、その果てにある姉を殺してでも自由になりたい危険な殺意。
姉の首を絞めながら射精したとき「先輩」は恵美とのセックスでは満たされなった欲望が一瞬だけ満たされて、異様な快感に涙を流しながら身を震わせた。
レイが仕掛けた呪い。
ニセモノの恵美の意識が発動すると、由紀の深層意識に暗示がかかり、女性器に対する性感をシャットアウトしてしまう。
不感症になってしまうのだ。
「恵美さんと自分のことを好きだとわかった上で利用した弟に対して、心から悔い改めて、ごめんなさいと謝罪すれば呪いは解除される。それ由紀って人に教えるかどうかは、恵美さん自身が決めることよ」
そう言うレイの口調が、ジュリアに似ていると思いながら恵美は
「これでよかったのかな……」とつぶやいた。
「それは、あたしにもわからない。本当のことを知らないほうが幸せって人もいるかもしれない。でも、あたしは恵美さんの魂が世界からいなくならずにすんで、本当に良かったと思う。恵美さんがいなくなったら、あたしは悲しいよ」
レイだって首を絞めさせて、タイミングが悪ければ気絶して自我が深層の世界に飲み込まれて消えていたかもしれない。
命がけで恵美に真実を教え、恵美自身ではどうにもできない呪いから、レイは救い出してくれたのだ。
「うん。レイちゃん、ありがとう」
恵美はそう言うと、レイの両手を握った。
レイと恵美が見つめ合った。
恵美が目を閉じると、レイの唇が恵美の唇に優しくふれた。
「ねぇ、恵美さん」
「ん、なあに、レイちゃん」
レイは照れくさそうに言った。
「また二人でパフェを食べに行きたいな」
「ええ、パフェ好きなレイちゃんにいくらでもおごるよ」
「あと……またキスしてくれたらうれしいな」
「キスだけでいいの?」
レイに恵美は抱きついて押し倒した。
「どうしよう、私、レイちゃんのこと好きになっちゃったみたい」
レイが恵美を抱きしめる。恵美とレイがまた唇を重ねあう。
レイの巫女装束を恵美が脱がせていく。
「恵美さんっ、ぁん、あぁっ、はぁん、んぁっ……」
レイの小ぶりだが形のきれいな乳房をゆっくりと揉み、桜色の乳首を恵美は唇でついばみ、舌で転がした。
レイの切なげで可愛らしい甘えたような喘ぎ声を恵美は聞いていると、胸が高鳴り、もっともっと感じさせたいと思う。
「レイちゃん、かわいい」
恵美はレイに囁いた。
「恵美さん、ちゅっ、んんっ……ふあっ」
レイは恵美にキスされるたびに、蕩けてしまいそうになる。
END