第34章 3人が一つ屋根の下に暮らしている理由が分かったわ。3人とも正妻なのよ。-2
「これを見ろと言うのね?」
「・・・・・」
ひたぎが白いアルバムを取り出す。扉を開くと輝く笑顔を放つウエディングドレス姿の女性が写っていた。
「綺麗・・・」
ひたぎが思わず呟く。
「あなたのお母様ね?後ろの窓と外の薔薇は、今日、私たちが使ったあの部屋の景色ね?」
「ああ、それは知らなかった。でも、母の希がここで式を上げたのは間違いない」
ひたぎがページを捲る。ウエディングドレスで窓の外を眺める希。その下半身は、純白のスカートの後ろが捲り上げられ、ガーターベルトに包まれた形の良いお尻が見えていた。更にページを捲る。同じポーズのまま、自らの尻肉を掴み押し開く希の姿。向かいのページにはお尻の奥がアップとなり衝撃的な画像が写っていた。鮮血で真っ赤に染まった女性器は、直前まで押し開かれていたように淫らに開き、その内側から白い男の射精物がドロリと流れ出していた。
「ウエディングドレスを身に付けて、式の直前に処女を捧げたのね・・・」
更にページを捲っていく。シンプルなドレスを身につけ、椅子に座った可愛らしい希。明るいベッドの上でシーツを身にまとい恥ずかしそうにカメラを見つめる希。
花弁が敷き詰められたベッドの上で男性を受け入れ大きく仰け反り喘ぐ希。男性の視点から希の上半身だけを捉えたその写真は、いやらしさは微塵もなく、とても美しいものだった。ページを捲るたびに、ベッドに敷き詰められた花が変わり、色とりどりの花弁に囲まれて喘ぐ、美しい希の姿が続いていく。
「美しい姿をこんなに沢山カメラに収めて・・・お母様が可愛くてたまらないのね・・・」
更にページを捲っていく。ベッド上で瞳に抱きしめられ、熱い視線で瞳を見つめる希。瞳の愛撫を受けて官能的な表情を見せる希。
愛子を抱きしめて、いたずらっ子のような視線を送る希。愛子とキスを交わす希。妖艶な表情を浮かべて愛子を責める希。そのどれもがとても美しい構図で、希の魅力的な表情を捉えていた。そして、それは最後のページまで変わることはなかった。
「お母様はとても愛されているのね?お父様はもちろん、瞳さんや愛子さんにも・・・そして、お母様は、たぶんこの部屋には来たことがない。日の当たる場所で闇に触れることなく生きて来たのよ・・・」
ひたぎが希のアルバムを戻し、赤いアルバムを手に取る。扉を開けると漆黒のドレスを纏う荘厳な瞳の姿が現れる。
「恐ろしい程に美しい人・・・」
写真の中の瞳は20代前半だろうか?重厚感こそ現在の瞳に及ばないものの、誇り高く激しい気性が表情に表れ、その美しさは今以上に際立っていた。ページを捲る。ボンテージ姿の瞳の写真が現れる。
「これは・・・どうゆうこと?」