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ハツミ
【OL/お姉さん 官能小説】

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トモキ 2nd Story-8

―Be safely found ―
―of this memo. ―
―        ―
―0*0-****-****  ―
―        ―
―   葉摘   ―
と並んだ文字が。
いきなりのアルファベットの羅列に戸惑うものの、《葉摘》という文字がハツミの漢表記であると確信した俺は急いでアルファベットの羅列の持つ意味を考える。
おそらく、
《このメモが無事に見付かりますように》
といった事が書いてあるのだろう。
もう俺は天にも昇るような気持ちだった!

―ハツミは俺にメッセージを残してくれていたのだ…!

電話番号が添えてあるということは、ハツミに電話ができる、それは俺が伝えられなかった気持を伝えるチャンスがあるということだった!これを喜ばずにいられるだろうか。
現在時刻は11時半を少し回った頃。
俺が今から家に帰るまでハツミは起きているだろうか?もう深夜になろうというこの時間帯に電話をかけるのは少々躊躇わなければならない事だろうが、この何日間か抑えに抑えたこの気持をすぐにでも伝えたかった。
俺はハツミの残したメモの番号とケータイの画面に映る番号とを何度も見比べながらボタンを押す。
番号と通話ボタンを押し終えると

と呼び出し音が響く。
数回の呼び出し音の後電話の繋がる気配があり俺は息を飲んだ。
ハツミの声を期待していたが、電話から流れてきたのは
<留守電電話サービスに接続します……>
という機械的なアナウンス音だった。
俺はがっくりと肩を落とした。しかし気をとりなおし、ハツミへのメッセージを残す。

〔もしもし、こちらはハツミさんのケータイでよろしいでしょうか??キリシマ トモキと申しますが、近々ご一緒に食事でもいかがでしょうか??少しお話したい事もありますので、お時間がある時にでもお返事お願いします。では、失礼します。〕

言葉自体はバカ丁寧だ。しかし、口調はとてもふざけていた。
マジになった時程ふざけた態度や言葉しか出てこない俺の性格には自分でも困ったものだ。

―まったく…これじゃぁ売れないホストみたいだ…。


家路を急ぐ中、俺は鳴っていないとわかっているケータイの画面を何度も開き見た。
ハツミはもう寝てしまっただろうか。だとすれば返事が期待出来るのは明日と言う事になる。
一人暮らしの1DKの部屋へと帰りつくと俺はケータイを握り締めたままベッドへと転がり込む。
考えるのはハツミの事だ。彼女は普段どんな仕事をし、どんな生活を送っているのだろう。休日はどんな事をして過ごし、どんな表情をするのだろう。
恋人はいるのだろうか。こればかりはいない事を願う他ない。俺の事はどう思っているのだろう。
その時手に握っていたケータイが鳴り響く。

―ハツミ?!?

そうとしか考えていなかった俺はかけてきた相手も確かめずに通話ボタンを押し、受話器に声を送る。
〔もしもし!〕
しかし俺はまた肩を落とす事になった。それは受話器から返ってきた声が疑いようのない男の声だったからだ。
<キリシマぁ!!今日は遅くまで在庫の整理ご苦労さん!随分気合い入れて片付けてくれたみたいで助かったよ!>
声の主は俺の勤める店のチーフ、嵩原(タカハラ)さんだった。俺が短大を出て、今の仕事を初めて以来3年間ずっと面倒をみてくれている恩人的な人なのだが、今日この瞬間に電話をかけてきたことは多少なりとも恨まずにはいられない。


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