ウ-6
「そんで、いつも蒼と別れた女の子のおこぼれを頂戴している
オトコ連中は、淫乱な里香が蒼に捨てられるのを待ってる。
もちろん、蒼を虜にしたセックスを自分も体験したいから」
「・・・・」
「内部の俺たちは里香はそんな女じゃないって
否定してるけど、なんせマンモス校だ。
内部生の何倍も外部生がいる」
「・・・・」
「蒼はそんな話を聞いて、否定したけど
蒼が否定すればするほど信ぴょう性をおびてる」
「・・・・」
「いい加減、これ以上里香を傷つける前に
守れないなら別れろって話になった。
俺たちの中に戻ってくれば、そのうちそんな話もなくなる」
「蒼くん・・・・」
「ごめん。里香。今までの俺の行いのせいだ」
「だなっ」
私たちの空気を読めない元カレが蒼くんの言葉を一蹴した。
3人ともが何も言わないまま
張りつめた空気の中で黙り込んでいた。
「お前たちさぁ。一体5年前に何があったの?」
1番呑気で
1番空気が読めなくて
1番いい加減で
1番子供だと思っていたヤツがそんなことを言った。