夢しんリャク-1
いち
私の上で、女が腰を振っている。
知らないコだ。茶色の髪に、わざとらしい小麦色の肌。ところどころ肌けた‘制服’から察するに、私は買春をしているらしい――最近ではサポートとか言うんだっけ。
若いくせに妙にユルい膣内(ナカ)を味わいながら、ぼんやりと少女の歪んだ顔を見上げる。
気が付いたら知らない女と交わっていて、そこに犯罪の匂いまでするのに、落ち着いているのはどうせこれが夢だからだ。
――最近、こんな夢ばかり見る。
知らない‘誰か’になって、ソイツの体験を生々しく追体験する。しかも毎回‘オチ’が決まっている。それを思うと、艶っぽい夢でも気が重くなる。
―――ほら、やっぱり始まった。
いつの間にか、「私」は女を正常位に組み敷いて、猛烈な勢いで腰を振っている。
彼女も相当キているらしく、商売女のツラでよだれまで垂らして善がっている。「私」は、そんな女の首に手を伸ばす。そしてきゅっと締め上げる。
女の顔が赤くなる。「私」は腰を止めないから、その表情は泣いているのか笑っているのか分からない奇妙なモノになる。苦しんでいるのか気持ち善がっているのか、口から垂れるよだれが量を増す。
女の顔が蒼くなる。目がぐるんと裏返って、口角から泡を吹く。そして、最後の抵抗なのか本能のなせる業なのか、ユルかった膣が心地良く締まる。
彼女の首がカクンと落ちるのと、「私」が射精したのはほぼ同時だった。
夢の中で、「私」は必ず人殺しをする。
死人の顔が大写しになったところで、いつも私の目は覚める。