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好き…だぁーい好きなんだからっ!
【幼馴染 恋愛小説】

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彼の涙-5

「いやー、楽しかったねぇー」
「うん、また良い勉強になりました」

休みの日に、デパートの絵画展を観に行った僕ら。それは予想通り、と言うより何時の様に僕はワクワクし、彼女もそんな絵を観て幸せそうな僕を見るのが好きな感じで。

「次は何処に行こうか?」
「あら?積極的、素敵♪」

何時見ても、僕の素晴しい変貌っぷりに惚れ惚れしている彼女、正直そこまでキャーキャー言うのが分からん。

取り合えずアテも無い僕は、近くの大通公園へ足を運ぶ事に。

「わぁー、綺麗な花、こういうのお母さんが観たら喜ぶだろうなぁー」

可愛い動物でも撫でるように、公園に咲くを手で軽く触る彼女。彼女のお母さんはガーデニングが趣味で、良く親子で街を出歩く時に、綺麗な花を見かけては、娘以上にハイテンションで、ケータイでパシャパシャ撮り出し、気の合う似たもの親子で。

 噴水でじゃれる子供達。一休みと汗だくでネクタイを緩め、ベンチに腰かけるサラリーマン。花壇をゆっくりとした歩行で、両手を後ろに組み、眺める老夫婦。様々な老若男女
それぞれの目的で公園を利用する。

こういう何も変哲も無い場所でも、先ほどカラ公園の背景を楽しむ彼女の背中を見ているだけで、幸せな気分になる僕。

その途中、とうきびの独特の香ばしい香りが僕らの鼻につく。

「おっ、今日も焼いてますなぁー」

香りの先を振り向き、そこに1台のとうきびワゴンがあった。大通公園名物のとうきびだ
 
「食べたい?」
「おっ、今度はおごってくれるのか、ふぅーー頼もしいぜ!」

僕の男らしさに、とろけている感じ。彼女を涼しい噴水近くのベンチに休ませ、特に並んでないワゴンへ近寄る。

「投げて渡して」
「へっ?」

2本のとうきびを持った近寄る僕に、上機嫌にウィンクをし、「おーい」と叫ぶ際の片手のポーズで、そうリクエストしてくる。

「何で?」
「男らしくて、キュンと来るからさ」

言われてやるのもどうなのだろうか、でも特に断る理由も無いので、彼女のリクエストに
応じる事にし。

「フゥ♪サンキュー!」

何とか上手に投げれて、彼女もがっちりとキャッチしてくれて。

「くぅーーうんめぇー何でこう旨いんだここのとうきびちゃんは」
「流石名物って言われるだけあるね」
「きっと絆の愛情が篭っているんだ」
「もぉー、杏ってばぁー」

はたから見たらバカップルに見えるかも知れない、でもそんなの構わない、だから。

「あれ、ほっぺたに粒がついてるよ」
「ウソッ!?そんな筈は」
「とってあげるね」
「うん、えっ……あっ」

僕は、彼女の奥の肩を掴み、頬に口付けをした。

「……あ、ありがと、私ってば駄目ね女の子なのに。」
「あはは、ウソ。ホントは粒何てついてないよ。」
「なっ、んだとコラァ」
「ゴメンゴメン、だって今、とってもキスしたい気分だったモノ」
「絆ぁ。」


それから僕らは、公園にある遊水路へ向かい、裸足となり、冷たい水に触れ。

「うわぁ、冷たい、でも水が綺麗、ねぇ杏。」
「ファイナルアホメガネフラァーシュ!」
「うわぁ」

訳の分からない単語で、案の定水のかけっこをする。

「やったなぁっ、そぉーれぇ」
「やるな、ファイナルクソヘヤーアタァークゥ!」

日差しが差し込む中、僕は息を切らし、水をかけるその手を休む事無く、彼女とじゃれて
 彼女の無邪気な笑顔が一段と眩しく見える。


そうか

僕は、今

生きてるんだ……

何だろう、涙が。


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