歪な氷雪-27
果たして二人は全裸になり、雅治が美羽の下腹部をまさぐると、生々しい割れ目の感触が指にまとわりついてきた。
「うっうん……」
下唇を噛んで眉間にしわを寄せる美羽は、そのままの表情で縮こまった。
自分の体に何が起きているのかよくわからないのだろう。下から這い上がってくる痺れるような感覚に戸惑っているのだろう。
膣が濡れる意味がわからない、乳房が張る意味がわからない、そして、血のつながった親子がセックスをする意味がわからないに違いない。
「俺たちならきっと大丈夫だ……」
気休めにもならないことを雅治はささやき、美羽の耳たぶを噛んで、陰唇の隙間から愛液を誘い出すようにそこを撫でまわした。
ぬかるんだ女性器の轍(わだち)を指でなぞっているのだ。
「あふ……うん……」
美羽が恥ずかしそうにしている。雅治の首に腕をまわしてしがみつき、ときどき息をはずませて、羞恥に染まった全身をぎこちなくくねらせている。
こういうところはまだまだ子供っぽいんだな──雅治は美羽のことをよく観察しながらも、はやく挿入したくてたまらなかった。
娘の膣の感触を味わいたいという欲求だけで気が狂いそうだった。
己のいちもつを美羽の陰部にべちゃべちゃと擦りつけると、処女膜を思わせるものが竿の横っ面に吸いついてきた。クリトリスの鈍い感触もわかる。
「あぐっ……」
美羽は手指を折りたたんで親指の爪をかりっと噛んだ。
鎖骨から胸から腰のくびれに至るまでの肌が光沢を持っている。
男を知らないその無垢な姿はまるで雛人形のようだ。
誰のところへも嫁がせてはならない。絶対に犯させない。
雅治は仰向けにした美羽に馬乗りになり、濡れた花園に口をつけた。たちまちいやらしい匂いに包まれた。
口に含んだ愛液をくちゅくちゅと味わい、娘を舐めるという行為にだんだん酔っていく。
若い太ももに顔を挟まれたまま、気持ちを込めて女性器を舐めた。妻の美登里のそれとは違う味だった。
「そんなとこ……舐めたら……汚いよ……」
美羽の文句が誘い水になり、雅治の勃起も限界に達しそうな勢いだった。
これは俺と娘の二人だけの秘密だ。誰にも迷惑はかけない──正常位の体位で触れ合う父娘の性器を雅治は見下ろし、未踏の体験に逃げ腰になりながらも、おそるおそる挿入していった。
そうしてペニスの先が膣内に入った瞬間、身の毛もよだつほどの罪の意識と快感とが同時に押し寄せてきた。