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Betula grossa
【ラブコメ 官能小説】

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茉莉菜の日記......-10

「あれっ?どうしたんだ?ボタン付いているじゃないか?」
拓弥が不思議そうな顔をしていた。
「どうして?」
俺が尋ねると
「ネクタイは美浦のモノだという事はわかっているけど....だからボタンを渡していたんじゃないかと......」
「ジャケットも亜梨紗に渡す約束だからね!」
「だからボタンを渡すの断っていたんだ!」
姫川さんの言葉に
「まあね!」
俺は照れてしまって真っ赤になってしまった。
「あれっ!純兄ちゃん照れてる!」
「笑美ちゃん!からかうなよ!」
「えへへへ......」
笑美ちゃんも姫川さんも笑っていた。

校門の所まで行くと、約束通りに亜梨紗が待っていてくれた。
「亜梨紗!ゴメン待った?」
俺は亜梨紗の所に走って行った。
「ううん....」
亜梨紗は首を横に振った。
「あっ!そうだ!これ!」
俺はジャケットを脱ぎ、ネクタイを外して亜梨紗に渡した。
「あっ....ありがとう....」
亜梨紗はコートを脱いで
「はいこれ!」
俺に差し出した。
「えっ?」
「そのままじゃ風邪ひくでしょ!これ大きいから、たぶん大丈夫だと思う!」
「でも......」
「この寒空でカッターシャツ一枚じゃさすがに風邪をひくだろ!それともアタシが着ているセーラー服のほうがいいのか?この変態!それならそう言ってくれれば......」
亜梨紗が制服を脱ごうとしたので
「ち..違うよ!亜梨紗!」
俺は慌てて亜梨紗をとめた。
「冗談に決まってるだろ!この変態!!」
亜梨紗は俺を睨んでいた。
「相変わらず美浦は口が悪いな!」
拓弥が笑顔で亜梨紗に話しかけた。
「放っとけ!」
俺はいつもと変わらない亜梨紗を微笑ましく見つめていた。こんな姿を見ていられるのもあと僅かだと思うから......亜梨紗はウィーンに行ってしまうから......
「なぁ?お前らこれからどうするんだ?良かったらみんなでカラオケにでも行かないか?」
「悪いな!拓弥!俺達これから行く所があるだ!」
「そうか......残念だな......しばらくは美浦とも騒げないので......って思ったんだが......仕方ないな......で?どこに行くんだ?」
「えっ?」
行き先を聞いていなかった俺は
「何処?」
亜梨紗に尋ねた。亜梨紗は呆れたように
「バカ!昨日言ったろ!茉莉菜の所だよ!」
「そうだったな......」
「それじゃ....仕方ないな......元気でな!日本に帰って来たら知らせてくれ!またみんなで騒ごうぜ!」
「ああ!お前もその時までには彼女を見つけろよ!」
「キツい事を言うなよ......俺に彼女が出来ると思うか?」
「..........」
「なんだよその間は....そうだ!俺に金髪のネーチャンを......」
「ダメだ!日本の恥を外国に曝すわけにはいかない!」
「冷たいな美浦は!」
拓弥はそう言って笑っていた。
「じゃ!またな!」
俺はみんなに別れを告げて、亜梨紗と、茉莉菜が眠る場所へと向かった。


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