濡れた身体で雨宿り<後編>-6
「あはは、『もうどうにでもして』ってポーズになってるぜ?」
「んっ いいのもう……どうにでも……して?」
「お、おいおいっ!それじゃまるで俺が犯してるみたいじゃねぇか……」
「あんっ い、いいの……悠二になら別に……なにされても……」
服従なんかじゃない、哀願してるのだ。
悠二にもっと……抱かれていたい。
「ねぇ?ずっと抱いて欲しかっただなんて言ったら……信じる?」
私はわざと悠二の言葉をなぞった。
もちろん元カノである沙也加を出し抜こうだなんて思ってはいない。
人のものが欲しくて横取りしようだなんて、考えたこともない。
けれど、背が高くて、気さくでなにを話していても面白い悠二に、
もしも抱かれたらどんな感じがするんだろう、
なんて想像したのは──一度や二度じゃなかったはずだ。
「…………信じるも信じないもないさ、嬉しいよ美樹?」
龍二の腰がいっそう激しく私を突きはじめた。
抜けそうなくらい腰を引いたかと思うと、
子宮に刺さりそうなくらい深く奥まで腰を入れられて……
「あぁっ すごいっ もっと……もっと突いてっ!」
抱きたい男と抱かれたい女が身体を合わせているのだ、
理性や羞恥心なんてかなぐり捨てればいい。
欲望のまま、快楽のままに身を委ねれば、それでいいじゃない。
「悠二っ あっ いいっ すごい気持ちいいのっ」
「俺もだよ美樹っ 気持ちよすぎて……腰が止まんねぇっ」
クラスメイトとか仲の良い友達とか、そんな体裁どうでもいい、
付き合ってるとかいないとか、そんなのももう、全部どうでもいいよ。
私の知らない私。誰も知らない私。
淫らに乱れて、欲望に貪欲なまでに素直な私。
まさか悠二とこんな関係になるなんて思ってもいなかったけれど、
でも、なんとなく悠二でよかった気がする。
誰でもは嫌、悠二が──いい。
「やぁっ ま、またイっちゃいそうっ だめぇっ おかしくなっちゃうっ!」
「くっ 俺ももうっ やばいかもっ」
身体が飛んでいっちゃいそうなくらい揺れている。
腰が砕けそうなくらい、ガクガクする。
二度目?三度目?もう何回イったかさえわからないけれど、
私は無意識に息を止め、貪欲なまでにその快楽を待ちわびていた。
「んあっ もう無理だ!イクぞっ…………美樹っ!」
そう言うや、ひときわ激しく腰を突き上げられたかと思うと、
私のおしりに悠二の熱い精子が大量に飛び散った。
おしりの割れ目に沿うように、ゆっくりと陰茎を擦りつける悠二。
まるで絞り出すような、小刻みに震える振動を感じながら、
私もまた、ひとり静かに果ててしまっていた。