濡れた身体で雨宿り<後編>-10
「あれ?じゃぁひょっとして……だからさっき俺としてたとき積極的だったんか?」
私は少しドキッとした。
半分はまさにその通りだったからだ。でも、もう半分は……
「え、演技なんかじゃないもんっ」
「……どうだかなぁ?」
「ほ、ほんとだもんっ ほんとに……き、気持ちよかったから……」
頬を真っ赤に染めた私を見ながら、ニヤニヤと悠二が笑う。
「もう、アイツのとこには戻れない?」
「戻れないって言うか、戻りたくても……」
「あぁ?戻りたいのか?俺よりアイツの方がいいのか?」
「……い、意地悪言わないでよっ なんなのよっ どこから来るのよその自信はっ!」
沙也加には申し訳無いけれど、ちょっと感謝したい。
私も受け身な男は好きじゃないし、自分に自信のない男はやっぱり私も嫌いだから……
「で、でもっ 私そのっ ホントにつまんない女だよ?」
「……それを決めるのは俺だよ」
「だ、だってっ!後になってまた『やっぱりつまんない女だ』なんて言われたら私っ」
「言わねぇって……アイツより俺の方が……おまえの良いとこいっぱい知ってるさ」
いちいち悠二の言葉が胸に突き刺さる。
いくら沙也加に言われたからって、ちょっと押しが強すぎない?
「な、なんでよっ なんで知ってるなんて言えるのよっ」
「だって腐れ縁だし、長いこと友達だったから?」
「そ、その友達に手を出したくせにっ」
「仕方ねぇだろ?ずっとオマエを抱きたくて我慢してたんだからさっ」
ゆっくりとまた、悠二の陰茎が私の中にはいってくる。
まるで待ち構えていたように、私の身体はするりと簡単にそれを受け入れていった。
ずっとオマエを抱きたくてだなんて──よく言うわ。
ホントは私の方が、その何倍も抱かれたかったかなんて知らないクセに。
私は大きく両足を拡げたまま、首に手をまわし悠二をじっと見つめていた。
「あぁっ んっ やっ 悠二っ はぁっ 悠二ぃ……」
漏れ落ちる淫靡な嬌声。
けれど、必死で目を開けたまま、私はずっと悠二を見つめていた。
「な、なんだよ?目、閉じないのか?」
そう言って照れくさそうに頬にキスする悠二。
私は瞬きもせず、擦れた声でこう言ってやった。
「自信に満ちあふれて積極的な悠二……大好きだよ?」
西日が差し込む夕暮れ。雨はとっくに止んでいる。
「よし、見てろ?あと三回はイかせてやるからなっ」
「ちょ!む、無理よっ そんなにイったらホントに……壊れちゃうからっ」
ちょっと雨宿りのつもりが、随分と長居しちゃったけれど、
私の新しい彼氏は積極的だから、まだしばらく帰してくれそうにない。