家庭教師、純一-4
レイカはサングラスをして、白のノースリーブに粗く編んだレースのような7分袖のカーデガンっぽいのを着ていた。下は柄もののプリーツの夏物スカート、サンダル履きだった。
レイカが車を出した。カーブを曲がるといつもよりキツメの香りが純一のほうに漂ってくる。
「天気予報だと昼ごろから雨みたいですよ。」
「ちょうどいいじゃない。」
純一はなぜか分からなかった。
レイカは純一の近況や彼女こと、思いつくまま自分の若いころなど交えて、会話をした。
2人に歳の差はあっても、純一がわざとHな話題を引き合いに出しても妙な壁を作らずフランクに受け答えをしてくれるレイカに親近感をますますつのらせるのであった。
30分ほど走って、国道に高梨山の標識が見えた。しかし、レイカはそのまま車を走らせた。
ポツリポツリと雨が降り始めた。純一は言いかけた口を閉じた。
「雨ね、ラッキー!」
「どうしてラッキーなんですか?」
「分からないの?」
「、、、そういうことですよね。平和の為に。」
「そういうこと。分かってると思うけど、秘密にしてなきゃダメよ。あなただって将来のある身なんだから。」
「あなた、前から私のことチラ、チラ見てたでしょ。胸とか、、。」
「そりゃまあ、きれいな女性が近くにいたら、、誰だって、。」
雨が強くなってきた。
レイカがサングラスをとった。にっこり笑った笑顔がきれいであった。
国道沿いにラブホテルが立ち並んだ一角があった。
その中のひとつ
『リバー・パレス』に車は滑り込んだ。
純一は身一つであったが、レイカはハンドバックともう一つバッグを持って降りた。
レイカは適当に部屋写真パネルを選び鍵を手にした。
エレベーターの中では2人は腕を組んだ。
純一はドキドキしていたが、悟られないように平静を装った。