濡れた身体で雨宿り<前編>-7
「じゃぁさ?さっき私がずぶ濡れになったの見て……正直興奮しちゃった?」
「うん?ああ……まあ、少しくらいは……な」
「少しだけ?ふ〜ん、少しだけねぇ……」
私は唇を尖らせながら、右手の動きをわずかに速めた。
スウェットの上からでもしっかりとその形状がわかるくらい、
悠二のそれは随分と堅く反り上がっている。
比べるのは失礼と思いつつも、太さも長さも元彼のとは全然違っていた。
もしもこれが私の中に入ってきたらどんな感じなんだろう?
そんなはしたない妄想を繰り返しながらも私は、
相変わらず素知らぬ顔で、悠二の目を見つめ続けている。
「やべっ なんかちょっとボーッとしてきたかも……」
「大丈夫?風邪引いてるんだもん、無理しちゃ駄目だよ?」
「ああ、美樹こそ大丈夫なんかよ?まだ随分と……濡れてるみたいじゃん?」
割れ目に沿うように、太い指先が何度もそこを往復したかと思うと、
ゆっくりと、少しずつ、私の中にそれが侵入してきた。
「あ、んんっ」
唇を噛みしめるも、眉がハの字に垂れ下がる。
「わ、悪いっ 痛かったか?」
慌てて指を抜こうとする悠二を見て、私は首を左右に振りながら必死で笑顔を作った。
随分と久しぶりの感覚だから、ちょっと身体がびっくりしただけ。
本当はすごく気持ちよくて、
恥ずかしいくらい身体が欲しがっているのがわかる。
潤んだ目で黙って悠二を見つめる私。
でも、クラスメイトだよ?仲の良い友人だよ?
そんな相手に、どうこうして欲しいだなんて言えるわけがない。
私がそんなことを考えていると、何を思ったのか悠二は、
私の右手をとり、そっと股間から手を離させた。
もぞもぞと布団のなかで、なにやら身体を動かしている悠二。
無言の戯れは、もうこれでおしまいなのだろうか?
火照りあがった私の身体、茂みの奥は、いまだ雨が降り続いているというのに……
「なんか暑くなってきた……よな?」
「……え?」
そう言うや、そっと私の右手をまた股間へと導く悠二。
あれ?なんだかさっきまでの感触と違う。
ごわごわした厚手のスウェット生地の感触が──ない。
掻き分けた茂みの先に反り上がる、太くて長い悠二の陰茎。
私の右手には、久しく感じていなかった懐かしい人肌が伝わっていた。