Love or Like-4
―その後思わぬ事件がおきた―
「…嘘…そんなっ…」
病室には包帯にまかれた痛々しい姿の龍平がいた。なんせ、実良と別れた後、オートバイに跳ねられ思い切り、電柱にぶつかったらしい。運転手は無免許だった。
「何で…大丈夫なの?龍平」
「…大丈夫って保障は出来ひんけど、意識はあるみたいやしきっと助かるよ…」雅の曖昧な答えに実良は不安になった。昨日のようなあの笑顔がみれなくなると考えただけで涙が出る。
「…あ…」
「!!」
「気ぃついたんかぁ?!大丈夫かぁ!?」
雅が龍平に近づく。
「…俺…どぉなってん…体のあちこちが痛いねん……」
虚ろな目で皆を見渡す。
皆が一斉に龍平の周りを取り囲む。
「…何やねん…自分等…何泣いてんの…俺の為に…」
龍平の頬には一粒の涙が流れていた。
「ホンマ、心配かけんなよ…!」
栄作が服の袖で涙を拭く。「…あ、昨日のラーメン…美味かったなぁ…また、二人で食いに行こうなぁ…」
苦しそうに笑う彼の笑顔はいつもの彼の笑顔だった。
「うん!―〜っく、絶、対だから、ねっ」
実良は彼のいつもの笑顔を見てホッとしたと同時に大粒の涙が頬を伝って落ちた。実良は龍平に自分の気持ちを伝えようと思った。
気持ちを伝えるにはいつになるか分からないけど。
END