Love or Like-2
わいわい楽しく話してるうちに、実良はそこの人達になじんでいた。
「あぁ〜!実良ちゃんおもしろいわぁ〜!せや!飲みもん出してへんかったなぁッッ!ちょぉ待っといてな」
雅がそぉ意って、台所へ向かう。
「なぁんや。アイツ今日メチャクチャ遅いやん。どないしたんやろ」
栄作がチュー杯を飲みながら言う。アイツって誰だ?と実良は思った。
「これでええ?コーラしかなかってん。ごめんな?」
雅がすまなそうに実良にマグカップに注がれたコーラを手渡す。
「あ!いいですよ。ありがとうございます」
実良はそれを受け取る。
ガチャ
ドアの開く音がした。実良はドアの方に目をやった。「かぁ〜〜!!たいぎいわぁ〜!!」
ボロボロのつなぎに、頭にはハチマキ、いかにも今仕事が終わったよぉな感じだ。実良は茫然と眺めている。
「マヂ疲れたわぁ〜…あぁっ!!」
皆龍平の声に驚く。
「ちょっ!お前!それ、俺のマグカップぢゃねぇかよっ!!何勝手に使ってんの!?おい、コルァ!」
龍平は無理矢理実良が持っているマグカップを取り上げた。中の飲みかけのコーラが実良にかかった。
「きゃぁ!!」
「ちょぉ!龍平、何やっとんじゃ!お客さんやぞ!?」
雅が龍平の頭を叩く。
「って!何やっとんじゃはこっちのセリフじゃボケェ!!家帰ったら知らん顔があるし、それに俺のマグカップ使っとるし!何やコイツ!」
龍平は真っ赤な顔して怒鳴る。実良はそぉ言われてムカついた。それはこっちのセリフだし!と実良は思った。
「…アタシ、帰る」
「えっ?もぉ帰るん?ええんよ?コイツの事気にせんでええから」
梓が実良の腕を掴む。
「いいの。別にこんな人気にしてないし。それに親がうるさいから。今日はありがとう。楽しかったよ。じゃあさよなら」
実良は玄関のドアを開ける。帰りぎわに梓が
「また明日も行こうな!」
と言った。
「うん。ありがとう。バイバイ」
実良は梓に笑顔を向ける。
翌日、実良はアパートに行くか迷った。
「実良ぃ〜!今日もアパート行くでしょ?」
「ん〜…だってアイツいんじゃん」
「アイツ?あぁ〜龍平の事?気にせんでええよ!龍平いつもあぁだから、気にせんでええし」
実良は一瞬考えたが行く事にした。
「実良ちゃん来たんやぁ!こっちおいで」
雅は優しく手招きしてくれた。雅の隣には膨れっ面な龍平が座っていた。
「何じゃ、来たんかい。来んなや」
龍平が実良に言う。
「何よ!それ!初対面から失礼な奴だなぁっ!!」
実良が龍平を蹴る。
「痛っ!!何だよっ!!コルァ!」
龍平が実良に殴りかかろうとする。
「ちょっと!何やってんの!ええかげんにせぇ!」
梓がとめに入る。
「落ち着きぃや。な?仲良くしてぇや」
呆れたような感じで梓が言う。
「はい、はい」
龍平が面倒臭そうに、返事をする。
「実良、ごめんなぁ。照れ屋やねん、コイツ」
雅が言う。
「誰が照れ屋やねん!!」
龍平が立ち上がる。
「まぁまぁ」
梓が止めに入る。
「せや!実良と龍平一回デートして来いや!」
雅の突然の思い付きで困惑する二人。
「は?いやや!何で俺がこない奴と!」
「アタシだっていやよ!こんな奴と!」
断固拒否する二人にお構いなしに雅が言う。
「まぁ、ええから。行くだけ行ってみ?お似合いやぁ思うんやけど?」
二人以外の皆が笑う。確かに似合わんでもない二人だ。
「さぁ、行って来い!」
ドン
背中を押される二人。