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好き…だぁーい好きなんだからっ!
【幼馴染 恋愛小説】

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後悔-6

「グットモーニーングッ皆すわぁんっ♪」

何時も以上に、明るく元気な声を、教室中に響き渡せ。一瞬戸惑い凍りついたクラス
メートも、何事か理解したのち、私の復帰を祝福し集まってきて

「いやー何とかは風邪引かないって言ったのに、どーもご心配お掛け致しましたぁ」

普段の感じで、会話を交わす。集まるクラスメート達の輪の向こうから、複雑そうな顔で
私を見つめる絆。

別に菫に喝を入れられ、彼と向き合えた訳じゃない、ただ何時までも引き篭るのは私の
肌に合わないし、これ以上親とクラスメートに心配掛けちゃいけないと思い。


「杏ー」

授業が終わり、廊下へ向かう私を引き止める彼

「絆…」

重苦しい空気、本来なら大好きな彼に会えて嬉しい筈なのに…
ゆっくりと私の元へ歩み寄る絆、そんな彼に私は

「あっ!」

例の病気の事を思い出してしまい、恐くなった私は思わず彼に背を向け走り去り
そんな私を、追う事無く、沈んだ顔で机に視線を落とし。

無理だよ菫

だって彼、死んじゃうんだよ?

受け入れろ、何て軽く言わないで!


それからあっと言う間に放課後となり、今だ気分が沈んだままの私
茜色の夕日が、私を照らす…

「杏、今帰り?」

聞きなれた声、振り向くとそこに彼が居て。

「ねぇ、公園に寄らない?」


野球少年の元気な声、犬の散歩をするオバサン
特に賑わいは無く、何処か寂しげな公園。

「体調はどう?苦しくないかい?」

暖かい声で、私の身を案ずる絆。ダガその声は何処か暗く、「もう大丈夫」とニコッと
笑みを浮かべると、彼もニコッとし。

「残念だったなぁ、合宿」

あの日、グラウンドで、倒れた事を知った彼の部員の二人も心配し、部長である彼の反対
を押し切り、結局大事を取り、楽しみにしてた岩見沢の合宿は中止となり。

「まぁ、仕方が無いよ、無理は禁物さ」
「そうだね、それじゃ良い絵も描けやしないしね…」

いっぺんすると、他愛も無い普通の会話、しかし突然


「もう別れよう…」

「!!?」

不意に脳に響いたショッキングな言葉

「え…」

静かに私に背を向け、少し長めの後ろ髪が、風でなびき

「君が明るい素敵な太陽なら、僕はその太陽の輝きを妨げるやっかいな壁…何だから」

「そんなっ!」

別れるって、正式に付き合っては居ないが、これは…もう

こうして私達を繋いでいた糸が、スッパリと切れ
彼との関係は途絶えてしまった…

「元気でね、杏…」

そして彼は、私を置いて寂しげな公園を後にした…


次回、4話へ続く。





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