普通の日常-1
あれから十日が過ぎたが、二人が逢う事は無かった。彼の家に小包が届く、差出人は千恵である。手紙に「海外から帰って来た旦那は性病の検疫中なのでエッチはしません。心配ご無用。」と書いてあった。「千恵さん嘘ばっかり。」そう思い包みを開けると鞄が出て来た、「ダニエル&ボブあなたに似合うと思います。千恵」彼の目から涙がこぼれた。
彼と出逢って千恵の人生は変わった。しかし、それは内面的な事であって、誰も知らない事であった。特に旦那には全く気づかれ無い事であり、気づかれてはならない事であった。
相変わらず旦那は千恵の身体を求めて来る。千恵は抵抗もしたが、徐々に心を無くしていて耐えていった。
「朝からやめてよ!」旦那が千恵の背後から求めてきた。
「もうこんななんだ。なんとかしろよ。」勃起したチンコを千恵のお尻に擦り付けてきた。
「朝立ちでしょ!トイレ行って来い!」千恵は怒った。しかし、旦那は千恵のパンティーを下ろそうとするのでしかたなくコンドームを取り出す。絶対に中出しだけはさせないと千恵は決めていた。
「ゴムはめてくれよ。」旦那の言葉に腹を立てながらコンドームを着ける。すぐさま旦那は千恵の背後から挿入してきた。「ダーリンごめんね。」千恵は涙をこぼした。旦那は千恵の奥深くまで挿入し腰を使ってゆっくりピストンを繰り返す。
「あっ、う〜ん。」千恵の口から声が漏れた。「やだ、止めて!」千恵は思った。
「はぁ〜ん、あ〜ん。」千恵は快感を感じる。「やだ、やだ、やだ、ごめんねダーリン!」頭に描く。
「あぁ〜〜。」旦那のピストンが早くなり、千恵はイカされてしまった。旦那のチンコが抜かれると、千恵は落ち込んだ。その日千恵は昼過ぎまで寝ていた。
「ダーリン私ダメかも。逢いたいよー。」何度も千恵は崩れそうになる。旦那が嫌なだけでなく、自分が嫌でしょうがなくなる。その度に、あの日の事を思い出す。純粋な彼の筆おろしをした時の事を思い出すと、胸がキュンとなった。
千恵の仕事が終わり旦那が迎えにきた。「最悪!コイツまたこの顔してやがる!」家に帰るが、千恵の読みは当たり旦那は寝付かない。しかしこの日、千恵の虫の居所は悪く旦那に食って掛かった。
「いい加減にしてよ!あんたの都合いい女じゃ無いんだよ!馬鹿じゃないの?セックスセックスって高校生じゃあるまえし、それとも猿か?このド変態野郎!」
「・・・・」旦那は何も言わなかった。千恵は布団に入った。しかし、旦那はチンコと立てて千恵に迫ってきた。
「馬鹿じゃないの?ホント。」千恵は怒った。
「じゃあ、お前だってよがるなよ。」旦那の一言に千恵は呆れた。憎しみの気持ちも起こった。どれだけ言っても旦那には通じない。結局はセックスをさせられる。
「ん〜ん。」しかし、嫌がったが声が漏れてしまった。
「小夜子さん、私コンパニオン辞めていい?」千恵は小夜子に相談した。
「あらら、一番人気のおねえさんが辞めちゃったらお客さん悲しむわよー。でも、しかたないね。今のあんたじゃ無理よね。好きだったんでしょ?本気で。」
「うん。凄く好きだった。違う、今でも好き。ずっと好きだと思う。」
「随分お熱ねー。どんな人だか会ってみたかったなー。私もコンパニオン辞めようかと思ってるの。お店やってみないかって言ってくれる人がいてね。」
「小夜子さんなら大丈夫でしょ。」そして二人はコンパニオンを辞めていった。