投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

ゼビア・ズ・ショートストーリー
【ファンタジー その他小説】

ゼビア・ズ・ショートストーリーの最初へ ゼビア・ズ・ショートストーリー 72 ゼビア・ズ・ショートストーリー 74 ゼビア・ズ・ショートストーリーの最後へ

繁殖-1


「ずっるい!!」

 島国ファンの城内に甲高い声が響く。

「ずるいずるいずるい!!」

 喚いているのは魔法大国ゼビア騎士団の白い制服に身を包んだ女性。
 その女性……キャラは、1人の女性に向かって息を切らして喚いていた。

「そぉんな事言われたってぇ〜…」

 キャラの前に居るのは浅黒い肌にクルクルな真っ黒い髪、赤い目が印象的な女性……カリー。
 過去に1年程一緒に旅をした事のある2人は、再会した後お互いの秘密を暴露しあい更なる友情を深めた。
 2人の複雑な秘密は他で語られているので、ここでは省くが……その2人の友情に、今、亀裂が入ろうとしている。

「なんでカリーが妊娠すんだよぉっ」

 キャラは床に両手を付いてがっくり項垂れる。

 原因はカリーの妊娠であった。

 結婚して約1年、子供が欲しくて励んでいたキャラだったが、未だ妊娠出来ず。
 なのに同じ頃結婚した兄の所には双子が産まれ、自分が仕えているゼビア王妃も妊娠。
 気持ちばかりが焦っている所にまさかのカリーまで……。

「だってゼインには子種無いじゃんっ!なのに出来るってずるいぃっ」

 カリーの恋人のゼインは元奴隷で肉体改造されまくり、今では立派な魔物になってしまった。
 肉体改造の際、パイプカットもされており子種は一切無い筈。

「ね?!どうやったら出来る?!どんなプレイ?!」

「ん〜っとぉ……縛られて無理矢理みたいな?」

 人差し指を下唇に当てて答えたカリーに、キャラはうんざりした表情を見せた。

「……何?ゼインってそんな趣味あったの?」

 ゼインと肌を合わせる事は何度もあったが、そんな素振りは見せなかった……それとも、愛するカリー相手だとそういうプレイに走るタイプなのだろうか?

「は?ゼイン??違う違う」

 キャラの言葉を聞いたカリーは、間抜けな顔をした後、盛大に笑いだした。

「お腹の子はゼインの子じゃないよ。相手はスランバート」

「はあぁ?!」

 カリーの口から出た意外な名前に、今度はキャラが間抜けな顔になったのだった。

 カリーはケタケタ笑いながら複雑な事情を説明する。

 スランバートと寝る事になった経緯、彼とゼインと自分のアンバランスな三角関係。



ゼビア・ズ・ショートストーリーの最初へ ゼビア・ズ・ショートストーリー 72 ゼビア・ズ・ショートストーリー 74 ゼビア・ズ・ショートストーリーの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前