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冬桜
【SM 官能小説】

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(第三章)-9

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エピローグ…


…ノガミタツヤ様ですね… お久しぶりでございます。確かロンドンにお仕事で行かれていた
とか…。そうですか…昨夜、東京にお戻りだったのですね。

暖かくなり、よい季節になってまいりましたね。
ええ、谷 舞子様はすでに地下のプレイルームにご用意させていただいております。あなたの
ご指示なのかどうかはわかりませんが、谷 舞子様ご自身のお申し出により、全裸にして鎖で
吊るしております。

実にお美しい彼女のお身体を拝見させていただきました。痛々しげな肉体ほど美しいものはな
い…年寄りの持論でございますが…。谷 様のしっとりと熟れた乳房や色っぽい腰のくびれ、
それにあそこの毛の悩ましい生え具合などを見ていたら、思わず涎が出てしまいましたよ。

SとM…今回は逆でございますか…。まさか彼女があなたに鞭を打たれる身になるとは思って
もおりませんでした…。ええ、存じ上げております…彼女が以前SMクラブの女王様であった
ことを…。鞭を手にしていた彼女が、今夜はあなたの鞭の痛みに悶え悦ぶことになるとは…。
彼女の白い肌に鞭の赤い条痕が刻まれることを想像しただけで、老人の私でもムラムラと欲情
しそうでございます。

私にはあなた方のご関係が理解できるような気がします。あるときは鞭で打たれ、あるときは
鞭を手にする…。SとMは表裏一体のものなのでしょうね。互いに痛みを孕んだ倒錯した性愛
の関係こそが男女のあいだをより深めていく…。あなた方が求めるのは、性愛の究極の浄化と
いう永遠の美徳ということなのでしょうか…。

それが幻でないことを祈るばかりでございます…。



「人々は、愛の苦しみがどのようなものであるかを知ることができるが、愛とはどのようなも
 のであるかを知ることはできない…」(アルベール・カミュ)


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