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冬桜
【SM 官能小説】

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(第三章)-3

久しぶりに訪れた湖畔のホテルだった。
眺めのいいバスルームの浴槽で、私はいつのまにか寝込んでいたようだった。つかの間の夢か
ら覚め、ふと目を開けたとき、窓の外には、昼間にノガミとふたりで散策した庭園の冬桜が、
薄闇の黄昏のなかで今にも眠りにつこうとしているかのようにおぼめいていた。

「お風呂が長かったな…待ちくたびれたよ…」
先にベッドに入り、テレビに映し出された古いフランス映画を見ていたノガミが、ゆっくりと
煙草に火をつける。

「あまりに心地よかったので、ついお風呂の中で眠っていたわ…」
バスタオルで身を包んだ私は、ノガミのからだに寄り添うようにベッドに入る。

「また、昔のあなたの夢を見ていたみたい…」
「燿華女王様のどんな夢なんだ…」
ノガミは私の肩を抱き寄せながら、ゆっくりと煙草の煙を吐いた。

「憶えているかしら…初めてあなたが私のプレイの客になったとき、私があなたに与えた罰…」
「どんな罰だったかな…」
「あなたは、そんなことも憶えていないのね。私があなたのからだに刻んだ初めての罰だった
わ…」と言いながら、私はノガミが咥えた煙草をもぎ取り、指に挟むと深く煙を吸った。

「私があなたに刻んだものは、この煙草の煙のように消えてしまったのかしら…。でも、私の
中に刻まれたものは、まだ残り続けているような気がするわ…」


ノガミはいつもより長い時間をかけて私のからだの隅々まで愛撫する。唇と指だけでなぞられ
るからだの奥で、白い星砂のようなものがかさかさと音をたてる。ノガミの肌からほんのりと
した香りが漂い、互いの肌が蕩けるように蠢き始める。私のからだを包み込む微熱が、肉洞に
緩やかに忍び込んでくる。

私の息づかいがしだいに荒くなるのを感じ取ったように、ノガミの下半身がゆっくりと私の腰
にかさねられる。弛み始めた陰唇が彼のペニスの先端に絡むと、私は自分の中に彼のものをゆ
っくりと受け入れ始める。

…あっ…あっ…ううん…

私の咽喉元から這い上がるような嗚咽が洩れる。

ノガミのペニスの先端が私の肉洞をこじあけると、膣内がゆるやかに収縮を始める。彼のもの
にしがみつくように襞が巻きつき、もっと奥へと導こうとする。彼がペニスをぐっと私に押し
つけると、肉幹と襞が揉み合い、ざわめく。彼のものを深くくわえ込むと、お互いの恥骨が
こすれあい、濡れた陰毛がひしひしと絡み合う。


私は腰をくねらし、身悶え、喘ぐ。どこまでも喘ぎ続ける…。髪をふり乱し、彼のからだを強
く引き寄せ、つかみどころのない何かをもがくように求めていた。私のからだの中の何かが、
ノガミとの色褪せた歳月をふたたび鮮明に描こうと欲していた…。



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