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脅迫文=恋文?
【コメディ 恋愛小説】

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憲の涙=花粉症?-1

どうも、憲です。
今日は俺の誕生日なんだが……なんか嫌な予感がするのは気のせいだろうか………。


『憲の涙=花粉症?』


今日をもって、俺は18歳になった。
車の免許を取っても、結婚しても、法的に問題は無い歳になった訳だ。
ところが、それを祝ってくれる家族がいない……。
親父と母さんは黄金週間を利用して昨日から三泊四日の温泉旅行、姉貴は実に数年ぶりに出来た彼氏とデート。
……薄情な家族だ。もう18だから祝わなくても良いとか思ってるんだろう。
もちろん、別に期待してた訳じゃない。
訳じゃないが、何も無いってのも寂しいじゃないか。
朝(と言っても11時ちょい過ぎだから昼)起きたら、誰もいない…ってのは……。
………まぁいっか。
昼から白雪が来てくれるからな。
白雪が誕生日を祝ってくれると言うのは、何物にも代えがたい事だ。
気持ち悪いと自分でも思うが、笑みが浮かぶ。
ムフフフ………おっと、変人と化している暇はない。
急いで身支度して、家の中と言う中を、隅と言う隅を掃除しなければ。
と言うわけで、手始めに掃除機をかける俺だった。


遅い……!
昨日、白雪から来たメールには一時頃に来るって書いてあったのに……。
もう二時……。
白雪に限って寝坊なんてあるわけないし、すっぽかしってのも考え難い。
電話してみるか。
携帯を手にとり、白雪にかけてみる。
…………………………………………出ない。
電源切ってんのか?いや、電池切れかも。
白雪のもう古いから、すぐ切れるって言ってたし。
……孝之に聞いてみよう。孝之なら知ってるかも。
………………ッ
『はい、もしもし』
「孝之?憲だけどな、白雪知らないか?」
『白雪?白雪なら朝早くに出たよ。誕生日プレゼント買ってないから、駅前で買ってから行く、とか言ってたな』
「朝早くに出た?まだ来てないぞ?」
『本当に?……白雪の事だから大丈夫だと思うけど』
「…………」
孝之はそんな風に言うが、俺は一抹の不安を抱いた。世の中、何が起こるかわからん。それが俺の持論だからだ。
「捜しに行ってみる。駅前だったな」
『そう、駅前………と、おわっ!?……ちょっと待った待った、これは憲だって……』
む、何やら物音が……。
耳で携帯の向こう側を探っていると、突然孝之とは違う声が聞こえてきた。かなりの大音量で。
『ちょっと!!アタシ達の二人っきりの愛の時間を邪魔しないでよ!!』……ブチッ!
…………白木さん、いたのね。
さっきの音は携帯の取り合いの音だったのか。二人っきりの愛の時間って……やっぱ白木さん、キャラ変わった……。
いや、今はそんな事を気にしてる場合じゃない。
駅前。
……行ってみるか!!
何か事故とかに巻き込まれてなきゃ良いんだが……。
玄関から出て、鍵を閉めてガレージに向かった。
「……あ、またやっちまった」
意味もなくガレージに来てしまった。癖だな、もう。
元々ガレージには俺の愛チャリが置いてあったのだが、この前、記憶喪失になった時の事故で完璧に大破した。
一発で天に召されてしまったのだ。まぁ、居眠り運転の2tトラックが突っ込んで来たら、普通は壊れるな。
ちなみに追突だった。衝撃で俺は吹っ飛んで道路脇の植え込みにダイブし、愛チャリはトラックの下に巻き込まれた。


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