憲の涙=花粉症?-2
合掌。
まぁ、ヘタレみたいに横から突っ込まれてたら死んでたから、まだラッキーではある。
あれ以来、姉貴が使っていたチャリを使っていたのだが、あろう事に二月の初め頃に姉貴が盗まれやがった。
おかげでここ三ヶ月程徒歩通学だ。
ふぅ、グチってる場合じゃないな。
さて、じゃあ足を使うか。
駅前までは歩いて二十分、走って十分ちょい……俺はもちろん後者を選んだ。
さて、駅前に着いた。
結構しんどかった。結局ずっと走るのは無理だったな。
とりあえず、駅前にあるジャ○コに入ってみよう。
プレゼントを買ってくれているのなら、少なくとも見た人ぐらいはいるはずだ。
いや、もしかしたら今だに迷って品物の前で唸ってるかもしれん。
白雪はきっちり物事を決めないと気が済まない性格の癖してよく悩むからな。
……いや、そういう性格だから、よく悩むのか?……まぁ、いいや。
とりあえず見つけたら、文句のひとつも言ってやろう。
とりあえず一階……食品売り場はパス。
料理作ってくれるのなら、『プレゼント買いに行く』なんて言わないからな。
二階は女性向けの服とかだ。
俺には用がないとフロア全体が言っているのでパス。
三階は男ものの服達だ。もしかしたら、いるかも………………………いない。
じゃあ、四階。ここより上は駐車場だから、ここにいなかったら白雪はいないって訳だ。
……ん、待てよ。サービスカウンターとやらでアナウンスかけてもらえば良かったんじゃないか?
しまったぁ!
さっさと気付けよ、俺。
とりあえず一階に逆戻りだな。
一階に戻って、サービスカウンターでお願いした。
ピンポンパンポーン……『舞阪町からお越しの矢城白雪さま、お連れの太田憲さまがお待ちです。一階、サービス…………』
……………来ないな。周りを見渡すが、白雪がやって来る気配はない。
「おーい!」
む、今の声は………。
「よぉ、憲」
「白雪とはぐれたの?」
やっぱり独と八木だった。
「いや………まぁそんなとこだ。知らないか?」
「あぁ、さっき会った」
さらっと独が重大な発言をした。
「どこで!?」
「いや、ついさっき。なぁ」
「うん、話しかけたけど、かなり急いでたよ。確か…商店街に行くとか言ってた」
話を振られた八木が独に続けた。
商店街……行ってみよう。
「サンキュ!」
「あ、なんか言うこと……ったく、礼の一つも言って行けっての」
「いねぇ……」
商店街に着いた。
で、捜した。
が、いない。
………どこいったぁーーーーー!!??
ちくしょう、本気で心配になってきた。白雪のヤツ、変な所が抜けてたりするからな。
もう一度商店街を捜す。商店街の周りも見て回った。いろんな、考え付くあらゆる所を捜した。
……でも、いない。春の晴れた日だ。シャツが汗でベッタリだ。
あぁ、なんで誕生日にこんな事に……。
む、なんか人が集まってる……。なんだろ。
商店街からちょっと離れた通りの交差点には人だかりが……。お、おいおい。あの赤い回転灯はパトカーじゃないか……?
事故か?