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変容
【教師 官能小説】

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変心-17

 二人の尿でずぶ濡れになったベッド。
 吐瀉した男の小便で汚れた床。
 小便まみれでボロ雑巾のように横たわる女。

 男はそれら全てを無視して、床に散らばるポラロイド写真を拾った。
 そこには7枚分の陵辱風景が写っている。どれもこれも目を覆いたくなるような卑猥で醜悪なものばかりだ。その撮影者である男はその中の1枚を見つめた。あまりの興奮で予定外に撮影してしまった、カウントに関係のない恵の死に顔写真だった。男はその1枚だけを抜き取ってポケットにしまい、代わりに別の写真を取り出した。

 男は床に置かれたままのビニール袋からセロハンテープを取り出しベッドに乗ると、虚空を見上げ、死んだ様に横になって動かない恵を乗り越えて、壁に写真を貼り付け始めた。

 1枚、2枚、3枚…。
 写真は左から横に三列に分けられて貼られていった。
 上の列はフェラの写真4枚。中央の列は飲尿の写真1枚。下の列は膣による性交の写真1枚。そして最後に、先程取り出した1枚を他の6枚の写真とは別に、少し離れた箇所に貼り付けた。

 男は7枚の写真を貼り終えると、ベッドを降りてズボンを履き、何事もなかったかの様にドアに向かった。

「6」

 ドアを開けて出て行く間際に男が放った数字が、恵の耳孔に虚ろに響いていた。




 随分長い時間、恵は仰向けのままだった。

 部屋に充満するアンモニア臭も、小便で濡れたままの自分の身体も、口に残る精液の味も、何も気にならない。
 ただひたすら、ポッカリと心に開いた大きな穴を、その淵に立って眺めている自分がいた。


“もう死のう…”


 いつしか恵はそう思っていた。

 散々犯され汚された。便器の様に扱われ、小便までかけられた。呼吸が止まり死の寸前まで追い込まれた。こんなに辛いことがあと94回も続くのか…。このままだと多分私は途中で死ぬだろう。いや、殺されるに違いない。心も体ももう限界だ…。

 今回の接触前はなんとか頑張り耐え抜くつもりだった。しかし、男は想像を超えて恵を心身を蹂躙した。ボロボロの心と身体を抱えながら、解放までの時間の長さを思う時、恵の心には絶望の二文字しか浮かんでこなかった。

“ごめんね…。お母さん、もう無理だよ。”

 自然と浮かぶ子供達への謝罪の言葉。

 二人の子供達の顔が思い出されるが、その顔はぼやけてはっきりしない。そう、100回のカウントの先で待つ子供の笑顔は、恵の生きる理由だった。しかし今、その笑顔が放つ光は弱まり、そこに至るまでの距離も果てしなく遠い。
 恵は自らの心の内から消えゆく意志の光を、ただ呆然と見守っていた。




 絶望の闇に包まれ、消える様に静かに眠りに落ちた恵が意識を取り戻したのは数時間後。頬に何かが触れた時だった。

 それはあまりに小さな感覚だったが、この数日間で受けたどんな刺激より鮮明で、そして優しかった。

「…?」

 ゆっくり両目を開けるが、視界にあるのは白い天井だけだ。人の居る気配もない。不思議に思った恵は、ふと、刺激を感じた頬の方に顔を向けた。

 そこには1枚の写真があった。

 出て行く前に男が壁に貼り付けたものだ。
 貼り付けが甘かったのだろう。壁から剥がれた落ちた写真が、偶然恵の頬に触れたのだった。

 あまりに頬の近くにあるために、どのシーンの写真かは判別できない。いや、見ようとも思わない。恵にとって写真は数だけが意味を持つのであり、その中身など見たくもない。それに、今やその数でさえどうでもよくなった。

 恵は感覚の正体に何故か軽い失望を感じながら、顔を元に戻そうとした。

 壁にある残りの写真が視界に入る。4枚、1枚、1枚…。

“…4、1、1?”

 恵が稼いだカウントは『6』のはずだ。男も確かにそう言った。ベッド横の壁には6枚の写真が貼ってある。そのどれもが恵の猥雑な姿を写したものだ。では、今、顔の横にある写真は何だろう…。

 恵は今度は顔だけでなく、身体を捻ってそれを見た。
 恵の瞳が大きく開かれる。


 そこには二人の子供の笑顔があった。


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