春、雨 -1
「千香…折角の制服、ぐちゃぐちゃになっちゃうよ?」
僕は、制服のままでこれ以上行為を進めると流石にまずいと思い、千香のスカートのファスナーに手をかけた。
「いやっ! このままがいいの!」
千香は、首を激しく振って、
「本当はこんな制服大嫌いだよ! シュウイチの居ない学校も、登下校も、みんなみんな寂しくて大嫌い!」
黒目の大きな瞳から、ぼろぼろと涙を溢して、
「不安だよ! 怖いよ! シュウイチと離れて、独りでの新しい生活なんて…怖いよ…」
不安を吐露して僕に抱きついて、
「戻りたい…、セーラー服に戻りたいよぉ…」
声をあげて泣き出してしまった。
「不安なのは、僕だけじゃなかったんだ…」
僕らは同じ気持ちだった事に気付いて、千香を強く抱き締め返して、
「ねぇ千香…、僕、頑張るよ。来年、また同じ学校の制服が着れるように」
「シュウイチ…」
「それまでにさ、着なれておいてよ。そして、僕をまたあの時みたいに笑顔で迎えて欲しいな」
千香の涙をぬぐって、小さく笑うと、
「約束…だよ?」
「うん、約束する。頑張る。絶対に頑張る。だから、新しい制服が嫌いだなんて、もう言わないって、僕と約束して欲しい」
そう言って、僕は千香にキスしながら、制服を全て脱がした。
「寂しくなったら、お互い我慢はなしでさ」
電話でくだらない話をしよう。
メールだって沢山交わしあおう。
会いたい時は、遠慮なく会いたいって言おう。
「学校が違うって事以外は、僕らはなにも変わらない。
笑ってそう思える僕らでいようよ」
もう、勝手に独りだなんて思いたくないし、なにより大切な人にそう思わせたくない。
そう思いを込めて、千香と沢山のキスを重ねた。
白い肌を薄紅に火照らせ、切なげな声をあげて、千香は僕に行為をせがむ。
柔かな胸に唇を這わせ、硬く脹れた胸の先端を舌で刺激しながら、熱いとろみを溢れさせる陰部の硬くなった突起を指腹で愛撫すると、
「はあ…んっ! シュウ…イ…、気持ち…ぃ」
枕を握りながら、潤んで蕩けそうな瞳で譫言のように僕の名前を呟き、快楽に身を委ねた。