第六話 海外旅行-1
第六話
海外旅行
夏休みです。
師匠と先生は、レッスン休みのこの時期に、思い切って海外旅行に出ることにしました。
日頃、周りの目が気になって、なかなか気の休まる閑がありません。後何十年も生きられるわけではない残りの人生を考えると、思い切って海外に飛んで、悔いの無い想い出を作りたい。
先生の提案に、師匠もすっかり乗り気です。
目的地は、オーストラリアのシドニー。
かつて、現役時代の先生は、会社の出向で現地子会社に駐在したことがあります。 夏と冬が反対の南半球。 東京の極暑でへばった体を、快適なシドニーの冬で癒したい。
土地勘のある先生には、観光案内も自分の家の庭を案内するようなもので,張り切っています。
ジャンボ機の一等席に腰を落ち着け、東京の煩わしい諸々のしがらみから開放されると、師匠と先生は、ほっと顔を見合わせます。
ブランケットの下で、そっと手を握ります。
成田の滑走路から、急上昇で高度を上げた機体は、やがて規定の高度に達し、安定すると、飲み物のサービスが始まりました。
赤と白のワインを、一本づつ注文。
「飲ん兵衛さんには、天国だなあ」
師匠も先生も、嫌いではありませんが、沢山は飲みません。
食事は、以前に比べると質素になりましたが、年寄りにはこんなもので十分です。
映画が始まり、キャビンが暗くなりましました。
追加のブランケットを貰い、2人は包まります。
「先生、私幸せです」
師匠が、先生に体を寄せて、耳元にささやきます。
「僕だって、師匠のおかげで、生き甲斐ができました。有難う」
先生は、ブランケットの陰で師匠の腕を引き寄せ、ブラウスのボタンを外します。 ノーブラの乳房に指が伸びて、乳首を探ります。
「せんせ」
師匠の手が伸びて、先生のズボンのファスナーを引きおろし、すでに硬直を始めた先生の逸物を探ります。
師匠は目を閉じて、ブランケットを鼻の上まで引き上げ、唇からもれるヨガリ声を噛み殺しています。
「師匠、ちょっと嵌めたいな」
「だって先生、こんなところでは無理ですよぅ」
「ちょっと入れるだけ。夏ばてで、しばらくご無沙汰だったじゃないですか」
「そりゃまあねぇ。あたしだって、すっかり出来上がってしまって。何とかして下さいますぅ」
「もうみんな寝込んでしまって、トイレに行く人はいないだろ。僕が先に行くから、遅れて付いておいでよ。誰も見ていやしないから。 隣のトイレに入る振りをして、僕のトイレに入るんだ。中からロックしてしまえば、後はこっちのもんだ」
「先生、頭良い」