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もう君に会えない
【大人 恋愛小説】

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それぞれの道2-18

ハムスターに対して、不安と期待の入り交じった表情を見せる久留米さん。


やや緊張気味の彼がなんだか可愛くて、思わず微笑んでしまう。


「大丈夫、動物って優しい人が本能的にわかるんだから」


久留米さんなら、大丈夫。


家族以外の人間には決して懐かなかったメイが、初対面で久留米さんの膝の上に飛び乗ってきたあの日のことを思い出しながら、あたしは頷いた。


それに呼応するかのように頷き返す久留米さんは、ゴホンと咳払いを一つしてから、


「……ほら、おい……」


と、差し出した手をゆっくりハムスターの前に向けた瞬間。





「いってえぇぇぇっ!!!」





――めったに聞くことのできない彼の叫び声が、耳をつんざいた。



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