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もう君に会えない
【大人 恋愛小説】

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それぞれの道2-17

「少しの間だけだけど、よろしくね」


ハムスターにそう言って挨拶するけど、知ってか知らずか鼻をヒクヒク動かすのみ。


「エサは車につけてるから、お前ん家で渡すな。あとは……」


そう言って塁は飼育方法について簡単に説明をしてくれた。


うんうん頷きながら最低限のお世話を頭に叩き込む。


一通り説明を受けたあたしは、ハムスターに向かってニッコリ微笑んだ。


「ほら、久留米さんが後押ししてくれなかったらあたしはあんたのお世話なんて引き受けなかったのよ? 久留米さんにもお礼言いな」


さっきから黙り込んでいた彼は、急に話を振られて目を丸くしていた。


「いや、俺はいいって」


「いいから抱っこしてあげなよ。この子、大人しくてすっごい可愛いよ」


「うーん……」


久留米さんは少しビビっているみたいだったけど、あたしの隣で触りたくてウズウズしてるのが伝わってきたから、そっと両手を彼の前に差し出した。




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