それぞれの道2-13
「玲香、お前動物好きだよな?」
「な、何よいきなり」
「好きだよな?」
「ま、まあ好きだけど……」
有無を言わさぬ勢いに少したじろいでしまう。
塁はあたしの答えを聞くやいなや彼は、あたしの肩をポンと叩いてから、
「よし、じゃあお願いするわ」
と、立ち上がって部屋から出て行った。
すぐさま玄関から聞こえてくるガシャンガシャンという音に、頭に疑問符を浮かべながら久留米さんと目を合わせる。
彼も彼で、眉根を寄せて首を傾げるばかりだった。
「さあ、今日から少しの間だけこのお姉ちゃんのお家におじゃまさせてもらうからねえ」
再びドアを開けて部屋に入って来た塁は、何やら金網タイプの大きなケージを抱え、赤ちゃんに話しかけるような猫撫で声で中の物体に話しかけていた。