せめぎあう。-1
冷たいきれ長、強い光りを宿す紅い目。黒い髪…。 やや細身、だけど均整の取れた逞しく綺麗な体。
「キレイな目、オイシソウなカラダ…」
「三神環。オレが欲しいなら、存分に味わえ」
「ミカ…ミ…タ…マキ…?」
微かに笑んだ男の瞳を見つめて、あたしの体の奥底に、微かな波が立った。
男を押し倒し跨がり、貪るように唇を奪い、舌を絡めると、まるで上等な酒に浸り酔うかのような甘美な痺れが体中に広がった。
男の首筋に舌を這わすと、高貴な伽羅の薫り。
逞しい胸の小さな突起を指や舌でチロチロと弄ぶと、
「…っ…」
男は、小さな呻きと共に、苦痛に似た悦楽の顔を覗かせた。
そんな小さな男の変化を見ただけで、あたしの背筋はゾクゾクと快感が立ち上ぼり、下肢の付け根が疼き、蜜壺の奥から淫らな露がとろとろと流れ出した。
後ろ手で男の硬く大きく張りつめた熱い欲の肉棒の先に触れ撫でると、
「っ…ぁ…っ…」
男の顔は更に苦悶に歪む。
そんな顔を見ただけで、あたしの体の枯渇が和らぎ、気持ち良さに包まれた。
もっとこの男の淫らな声が耳に欲しい。
もっとこの男の苦悶に歪む顔が欲しい。
あたしは、男の熱く太く脈打つ肉の棒を口内に含み、ゆっくり、じゅぼじゅぼと卑猥な水音混じりで舐め吸い、咽奥まで深くくわえこみ、顔を上下に動かした。
「ん……んはぁぁ…ん…ん…」
「…っ…はっ…! くっ……」
「…んはぁぁ…ん…おい…ひ…ぃ…」
逞しく脈打つ硬い肉の棒を口内で味わう事に夢中になるあたしの、とろとろに熟れて疼いて止まない淫らな秘部に、男の唇が触れ、じゅるじゅると蜜を吸いながら熱い舌が絡みつく。
「んん……ぁ…んはぁぁ…ん…、気持ち…ぃ…ぃ…」
口内で男を感じながら、秘部の入り口を舌で掻き回され、興奮して硬くなった敏感な芯芽を指腹で優しく弄ばれると、快楽で腹奥が激しく疼いた。
男があたしの体に施す舌使いも指の動きも、至極優しい。しかし、的確に気持ち良い場所をついてきて、意図せず甘美な喘ぎが咽奥からこぼれてしまう。
「っぁ…ッ!…環…、お前の口の中は…極上に気持ちいいな…」
「んん……んはぁぁ…んん…ん…ん…」
「オレをこんなに気持ち良くさせるのは、…っぁ…、お前が…初めて…だ…」
浅く、時折息を詰まらせ、体をピクリとさせ、あたしの口内での淫らな責めに恍惚とした表情を見せる男の肉棒の先端は、更に硬く張りつめ、サオはゴツゴツと筋を浮かせて脈動を速め…。
あたしの口の中で、あたしの舌使いで、男が激しく感じているのがわかった。
冷たい紅い瞳であたしを見下ろし、口だけで笑ってたあの男があたしの口の責めに気持ちいいと悦んで、喘ぎを漏らして誉めるなんて…。
そう思うと、激しい悦楽と快感があたしの頭を痺れさせた。
(あの男…?)
あふと気付きたしはあたしに戸惑う。
(あたしは…この男を…知っている…?)
「んぁぁ…ん…ん…んっ…んっ…! ぁあ…、んふぁ……」
じゅるじゅると唾液混じりに肉棒にしゃぶりつき、淫らで激しい水音をあげながら、口内で破裂しそうに膨らんでる男の精を搾り取ろう、口の上下の扱きを速めると、
「環…っぁ…っ!! 出る…ぞ…っ!」
「ぁぁ…ん…っぁ…んっ…、ほひぃ…っん…、口いっぱい…に……んっ…んっ…ほひぃ…よ…ぉ…」
「――っく! ぁぁ…っっ――っ!!」
「んんっ!! んっ…っっ――っ!!」
男はあたしの頭を優しく押さえて、肉棒を激しく脈動させ、咽元に熱くて苦くて、とろりと甘美な精液を放った。
「はあっ…、はあっ…、――っあっ!!」
「んふぁ…んっ……」
硬く張りつめた棒が脈動と共に、ゆっくりと硬さを失いつつある中、あたしは棒の先端に残る僅かな精も残すまいと、ちゅるり、ちゅるり…と吸い上げ、
「んっ……ぁぁ……ん…」
あたしの口の中で達して射精し、浅い息で上気する男を見つめ、精液をコクリと飲み干し、歓喜に奮えた。
男の精を体内に流し入れると、更に渇が潤い、心地良さが体中に沁みていく。
だけど、それもほんの束の間。またあたしの体は枯渇で飢えて、寒くて苦しくなる。
…もっと欲しい。
もっと、もっと…。