ハーレム?な少年-7
リズの寝室に入ると、そこは予想通り結構な広さがあった。微かにライトアップされている室内は、大人の雰囲気といった言葉が似合う。
そこの中央奥の大きなベッドにリズは座っていた。
「こっちへいらっしゃい…」
そう言われて、ゆっくりと近づくが、リズの姿がはっきりと見えてきた瞬間、足を止めた。
リズはシースルーのネグリジェを着ていたのだ。
下着も身につけていないらしく、扇情的な姿がはっきりと浮かび上がっていた。
「どうしたの…?おいで…」
「は、は…い…」
顔を真っ赤にさせて立ち止まるリンを、再度招くリズ。
リンはぎこちない足取りで歩き始める。
やがてリズの目の前まで来て、どうしたものかとリンが思っていると、リズがポンポンと隣を叩いたので、リンはおずおずと彼女の隣に腰を埋めた。
「どうだった?この家の人たちは」
心なしかリンに身体を近づけ、話かけるリズ。
リンはまともにリズの方を見ることができない。
「皆さんとてもいい方ばかりで…その、嬉しかったです…こんな僕を連れてきてくれて、リズ様にはとても感謝しています」
たどたどしく口にするリン。
「それはよかったわ。でもあなたはここに使用人として来たのよ。しっかり働いてちょうだいね…」
「あ…は、はい…」
今度は、リズははっきりと胸から腰からぐっと押しつける。さらに指先が動き、リンの太股をなぞるように撫でていた。
女の身体に全く免疫のないリンは、顔どころか全身を真っ赤にさせて石像のように固まる。
「ふふ…可愛いわね。そんなに緊張しないで。怯えなくても痛いことはしないわよ」
「は、い…」
無論、そんなことを言われたくらいで緊張が解けるはずもない。
「ここに来てもらったのはあなたのお仕事について話しておこうと思ってね」
「あ、はい。どんな仕事でも一生懸命がんばりますっ」
「そんなに意気込まないでいいわよ。
…あなたの仕事は、基本は他の娘達と同じなんだけど、もっと重要な仕事があるの」
「え…?重要な…ですか?」
「ええそうよ。言葉で言うより実地教えた方がいいわね…」
と言って、リズは唇をリンの耳に寄せ、ふぅ、と息を吹きかける。
「あっ…」
「ふふ…可愛い声…やはりあなたは女を狂わせる力があるわ…。ねえ、リン」
「は…い…」
「あなた、セックスの経験はあるかしら?」
「え…?」
「セックスよ。もしかして知らないの?」
「いえ、知ってますけど…」
ハツネが娼婦だったので、何度か見たことはある。
いつもは外で仕事をしていたハツネだが、貴族が客の時は深夜に家まで招き寄せていた。
リンもたまたま起きたときに見たことがある。
…そこは別世界だった。
ハツネの美しい身体を覆うものは何もなく、質素なベッドに仰向けになってそこに男が覆い被さっていた。
ドアからでは男の体が邪魔でハツネの顔は見えない。
見えるのは、贅沢な暮らしですっかり太った肥満体質の中年男が必死に腰を振る姿。
聞こえるのは、ベッドの軋む音と、ハツネのわずかな喘ぎ声。
リンに取ってのセックスはそんなイメージしかなく、あまりいい行為とは思っていなかった。
しかし、リズともしあんなことができたら、きっと幸せだろうなと今は思う。
「で、経験はあるの?」
リズは再度訪ねる。
「ありません…」
何となく気恥ずかしくなり、俯きがちに答えた。
「そう」
リズの声音はどこか嬉しそうだ。
そして、リズは甘い言葉を囁く。